建協種子島支部と熊毛支庁建設部 意見交換
2025年06月13日更新
コスト増は深刻/事業確保で経営安定へ
県建設業協会種子島支部(藤田護支部長)は12日、西之表市の種子島建設会館で県熊毛支庁建設部との意見交換会を行った。支部側から神崎壽丸副会長(種子島建設)ら28人、建設部側は鍋田慶一郎部長ら9人が出席。島内のインフラ整備状況を共有し、安定的な事業確保への期待を高めたほか、輸送費が上乗せされる離島部のコスト上昇問題や担い手不足についても理解を深め合った。
馬毛島基地整備の追い風は、島内事業者全体に吹いているとは言い難い状況。事業の先細りを不安視する各社に建設部の各担当者は、西之表港改修など2025年度管内の工事概要等を説明した。大規模災害での応急対策に関する役割も確かめ、SNSを活用したスムーズな情報共有も紹介した。
支部からは「島外業者の連れ越し費」や除草や草刈り工の単価問題など、事業者の窮状が伝えられた。建設部としても「馬毛島関連の影響で価格が上昇していることは把握」しており、「現在の島内状況もかんがみて(本庁に)強く要望していきたい」と応じた。
建設業者が直面する担い手不足は行政も懸念しており、各社の若手人材確保の取り組みについても意見を交わした。高校卒業後、多くの生徒が島を離れる中で地元業者が採用に向けて努力する姿が伝えられた。また、職員からは、余裕期間設定契約に関する柔軟な対応に関しても説明があった。神崎副会長は「種子島の未来を明るいものにするためにも、受発注者の意思疎通は重要。それぞれの知恵や知見を生かして、できることから取り組んでいきたい」と力を込めた。