路面電車観光路線検討
2025年12月11日号(1面に掲載)
運行開始は最短6年/鹿児島市議会
鹿児島市は、4ルート案を構想する路面電車観光路線に関して、運行開始までに少なくとも6年程度の期間を要すると見解を示した。事業は現在も検討段階だが、平均距離の約2.6kmに対する概算事業費を約73億円と推計。10日、市議会の本会議(個人質疑)で山下要議員(自民党市議団)の質問に企画財政局の馬立辰志局長が答えた。
路面電車観光路線は、新幹線からの2次アクセスの充実や中心市街地の活性化などを図るため、2011年度から検討に取り組み、19年度に4ルート案を設定。本港区エリアが含まれているため、エリア内の施設整備(県の総合体育館など)の動向を踏まえて検討する必要があり、その状況を注視している状態だ。
運行開始までに要する想定期間は、費用対効果の検証や基本計画策定、設計や工事を考慮したもの。4ルート案の平均距離に対する概算事業費(約73億円)は、12年度に設定した複数ルートの同事業費をもとに推計しており、資材や人件費等の高騰で大幅な増加が見込まれる。
下鶴隆央市長は「事業環境の変化を踏まえた費用対効果の検証が必要であり、周辺エリアの状況を見極めたい」とし、回遊性向上などから本港区エリアの重要性を説明。「当エリアのにぎわい創出や交通アクセスの強化は、県と連携して検討をする必要があるものと考えている」と語った。
事業の具体的な検討時期の明言はなかったが、市では今後、費用対効果を検証し、その結果に基づき事業実施の判断をする考えを示した。

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