平田遼

2026年04月15日号(3面に掲載)
平田遼

大隅ライフ

ちょうど1年前、大隅河川国道事務所への異動を命じられた。これまで県内はおろか九州地方での勤務経験すら無かった。自宅からも遠い見知らぬ土地で、知り合いもほとんどいない中、「仕事ができるだろうか」と大きな不安を抱えたまま着任したことを覚えている。

 しかし、いざ赴任してみると、地域の方々、業界の方々、関係機関の方々、事務所のメンバー、周りの全ての皆さまに恵まれ、不安は杞憂に終わった。

 関係の皆さまの多大なご尽力で事業が計画的に進んだ充実した1年だったが、仕事以外の面で大隅生活を満喫できていることも、大きな充実感を覚える要因の一つである気がしている。

 元々ジョギングや軽いトレイルランニングが好きだった私にとって、熊との遭遇を心配せず走り回ることができるのは、幸せなことである。一番のお気に入りは姶良川上流にある神野トレッキングコースで、これまで何度も足を運んだ。

 地元の方による登山道の整備が行き届いており、吾平富士から見下ろす肝属平野や花崗岩上を澄んだ水が流れ下る幾重もの滝など、素晴らしい景色を楽しむことができる。また、大隅は海もいい。岸良海岸に車を停め国道448号をジョギングしたあと、そのままコバルトブルーの海に飛び込んで身体を冷やしつつ海水浴を楽しむなんて、リゾート感があって最高だった。

 これまでの勤務地でもいろいろな場所を走り、地域ごとの景色を楽しんできたが、ここ大隅では初めて体を動かしたあとのさらなる楽しみ(最近はむしろそれが目的となっている感もある)も見つけてしまった。
地元の温泉施設に直行し汗を流し、自宅への道中にあるAコープでお気に入りの鳥刺しを購入。帰宅するやいなや、焼酎(もちろん肝属川流域内にある酒蔵のもの)のソーダ割を喉に流し込みつつ、鳥刺しを一口。温泉で温まった体が程よい疲労感に包まれる中、芋焼酎の爽やかな香りと鳥肉の旨みが口の中に広がる。そして官舎の窓から見える夕日に照らされた国見連山を見ながらこう思う。「なんだ天国とは大隅のことだったか」と。
(大隅河川国道事務所長)

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