木蔭
2025年11月19日号(3面に掲載)
藤井 寧/野球観戦
野球観戦というと、誰もが球場に行って観戦することをイメージすると思うが、私は子どもの頃からテレビで見てきたせいか、私の野球観戦はテレビが中心である。
私の両親が巨人ファンで、毎日テレビでナイター中継を見ていたため、私も物心ついた頃から巨人を応援していた。当時は、王選手のホームラン世界記録更新で盛り上がっていた。
その頃、私が住んでいた福岡には、西鉄ライオンズというチームがあったが、いろいろあって埼玉に移転してしまった。当時は、全く応援していなかったが、子どもながらに寂しい気持ちになったのを覚えている。
それから10年、南海ホークスがダイエーホークスとして福岡にやって来た。久々に地元の球団が誕生することで、巨人ファンだった私も単純にうれしかった。ただ、せっかく福岡に来てくれた球団を以前のようによそに持って行かれたくはない、少しでも球団を支えなければいけないとの思いから、ホークスのファンクラブに加入した。
本当は、毎試合球場に足を運んで応援する方がよいと思うが、私の野球観戦はテレビ中心であり、金銭的にそんなこともできず、今でもファンクラブに加入し続けている。
たまに球場で観戦することもあるが、球場の座席は狭くて、隣の人や前後の人も凄く近い。親子連れが近くにいると、大体早い回に子どもの集中力が切れ、アイスがほしい等とぐずりだす。ビールは頻繁に売りに来るが、アイスはなかなか来ない、そうすると子供たちはもう帰りたいと泣き出すこともある。そんな親子を見ていると野球どころではない、アイスの売り子が早く来ないか、どこにいるのか気になり、全く試合内容が入ってこない。テレビの場合はそうした雑念が一切ないので、集中して観戦できるのである。
今年のホークスは、4月の時点で最下位だったが、そのときの本紙インタビューで、「私の鹿児島赴任が影響しているのでは」と答えていたことが嘘のような結果となり、最高のシーズンとなった。来年もホークスが日本一になるために、私は来年も鹿児島にいないといけない。
(鹿児島港湾・空港整備事務所長)

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