この人に聞いた 肥後潮一郎氏(かごしまフィルムオフィス理事長・肥後設計社長)
2025年11月13日号(5面に掲載)
映画「天文館探偵物語」21日、先行上映/オール鹿児島ロケ経済活性に
11月21日から鹿児島県内の映画館で先行上映が始まる「天文館探偵物語」。主演の寺西拓人ら話題の俳優が多数出演するとあって、公開前から話題となっている同作について、撮影をサポートし県内の建設業関係者が多く役員を務める「かごしまフィルムオフィス」の肥後潮一郎理事長(肥後設計)に話を聞いた。
同法人設立のきっかけは、2006年に公開された映画「LIMIT OF LOVE 海猿」。当時所属していた鹿児島青年会議所にて「映像で地域を盛り上げよう」と模索していた時、制作会社から鴨池港での撮影協力を依頼された。手探りの中、延べ3500人のエキストラを管理。早朝から夜遅くまでの撮影のサポートを1週間続けたこともあった。この最初かつ最大の現場での経験が「どんな協力依頼にも対応できる自信の源」と振り返る。
11年に同法人を設立し、大河ドラマ「西郷どん」などさまざまな作品作りに協力。久永建装の久永徹郎社長や岩田組の山﨑宗紀社長らが理事を務めるなど、建設業関係者も多く関わりながら作品と地域の橋渡し役を担っている。ドローンが無い時代には高所作業車にカメラを載せたり、資材置き場で爆破シーンを撮影したりと建設業者が関わっているからこそ撮れた映像もあった。
「街の未来を真剣に考えている建設業者は多い。非営利活動のため、鹿児島を盛り上げようとする人の協力のおかげで県内での撮影を誘致できている」と感謝も語った。
「天文館探偵物語」はオール鹿児島ロケで敢行。「映画を観たたくさんの人が県内各地を訪れ、鹿児島の経済活性につながれば」と笑顔で話した。
(牧野紗江・報道部記者)

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