25年春の褒章~受賞の喜びを語る~
2025年04月29日号(5面に掲載)
黄綬褒章 市坪 孝志さん(市坪建装社長)/業界発展の礎に
「塗装業界を代表して、と言えば大げさかもしれないが、これからどんどん業界からの受賞者を輩出できれば」喜びと同時に、業界全体の発展へ尽くしてきた責任の重みを感じた。
1980年に明治大学工学部建築学科を卒業後、県外の設計会社に2年間勤務。その後、父親の事業を継ぐため帰郷し、建築塗装技術習得の一歩を踏み出した。87年に社長就任。自社の体制づくりと基盤強化に努め、県内屈指の企業へと成長させた。
当時を振り返ると、筆舌に尽くし難い苦難の連続だった。これまで支え続けてきた夫人には「いろいろな活動ができるのも会社があってこそ。苦しい時を一緒に乗り越えてくれた妻には、本当に感謝している」と話す。
業界全体の発展へ、日本塗装工業会県支部長を2008年から8期16年にわたって務めあげ、将来を担う後進者育成をはじめ、会員企業の従業員を対象とした資格取得の推進など積極的に取り組んできた。
好きな言葉は「あいさつは心の窓」。「当たり前の事だからこそ、おろそかにはできない」と話す。
趣味は、昔の洋画や自然科学の番組を録画すること。「いつか見ようと思ってはいるものの、なかなか見るに至っていない」と笑顔をこぼす。日課となっている小学4年生の孫との登校は、一日の活力となる至福の時間。71歳。
(西和則・報道部総括主任)