吉丸泰生氏(吉丸組)が自費出版
2026年10月26日更新
「満州国 三江省 佳木斯」/母の信念と天運記す
建機ミュージアムの館長を務める吉丸泰生氏(吉丸組取締役相談役、エコフロント西部取締役)はこのほど、敗戦前の満州に生まれた同氏が過酷な引き揚げを経て日本へ帰国するまでの軌跡を辿った「満州国 三江省 佳木斯」を自費出版した。A5版、260ページ。
本書は、病床の母親が記憶を頼りに書き残した手記に、貴重な歴史的資料を補ってまとめあげた力作。
1945年8月のソ連軍進軍時、軍や関係者の家族が先に避難する一方で、置き去りにされた一般民間人や開拓移民の悲劇がリアルに描写。支配する側から一転して襲撃される側となった日本人の混乱のなか、「必ず子供と帰国する」という母親の強固な信念と天運により、当時幼少だった氏が一命を取り留めた様子が収められている。
また、かつての現地人への差別に対する冷徹な視線や過酷な状況下で引揚者を助けてくれた朝鮮人・中国人への深い感謝、残留孤児の平穏を願う氏の思いや、戦争の狂気と命の尊さを現代に伝える貴重な記録が綴られている。
吉丸氏は「今の私があるのは〝誰よりも早く起き、誰よりも遅く寝て〟と、育ててくれた母親の愛情以外なにものでもない」と振り返り、「子や孫の顔を見るたびに命のつながりの尊さに感謝している」と話す。
問い合わせは、建機ミュージアム(℡099・282・5811)まで。

会員ページ

