東西南北

2026年06月18日更新
東西南北

県北部豪雨災害から20年/強くなってきた川内川

「川内川ってそんなところまでつながってるの?」

 昨冬、えびの市であった川内川下方井堰(しもかたいぜき)の着工式に取材で出向いたことを周囲に話すと、返ってきた第一声はこんな言葉だった。せっかくなのでと、源流は熊本県の白髪岳(しらがだけ)にあることも触れておいた。

 川内川は、熊本、宮崎、鹿児島を貫流し、薩摩川内市から東シナ海へと流れ込む。137㎞に及ぶ幹川の流路延長は、九州で筑後川に次いで2番目の規模だ。

 今から20年前、支川を含めた流域は記録的な豪雨で甚大な浸水被害に見舞われた。「目を覆いたくなる惨状だった…」と、建設業界も現地の応急復旧やボランティア等に奔走。多くの義援金が寄せられ、〝九州で過去最大〟(当時)と称された激特事業が採択された。

 かつて〝暴れ川〟とも呼ばれた歴史を紐解くと、国による治水事業が始まったのは1931年(昭和6年)までさかのぼる。その礎を築いたのは、地元出身の文筆家で政治家も務めた山本實彦氏。河畔に建つ銅像に畏敬の念が込められている。

 未曾有の被害をもたらした県北部豪雨災害から来月で20年。流域ではいま、引堤や河道掘削などのほか、水辺空間を生かした『かわまちづくり』が進む。

 異常気象と向き合いながらの事業は一筋縄ではいかない部分もあろう。ただ、積み重ねてきた整備で川は間違いなく強くなっている。こうした効果を伝えていくことも私たちの使命だ。

(田原謙一・常務取締役(兼)川内支局長)

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