10大ニュース(県内版)

2025年12月25日更新
10大ニュース(県内版)

第1位

資材高騰、人件費上昇

適切な利潤の確保を

 資機材価格の高騰や人件費上昇が止まらない。今年も公共工事で入札の不調が続出した。

 特に建築工事の大型物件で顕著な傾向。県の新総合体育館はPFI手法を従来型手法に方針転換した。鹿児島市立病院は2026年度から工期縮減や事業費抑制などの観点から計画を見直す。

 一方、業界では「公共投資は長期減少傾向に歯止めがかかったものの、資機材価格の高騰や人件費上昇の影響等により、実質的な事業量が減少してきている」と指摘する。働き方改革や猛暑日等による不稼働日の増加対応-などが大きな課題。安定的な公共事業予算の確保、入札・契約制度の改善が求められている。

 「第3次・担い手3法」の全面施行を追い風として、適切な利潤の確保を図ってほしい。

第2位

霧島市等で豪雨災害

地元建設業が迅速対応

 8月には線状降水帯や台風12号が本県を来襲し、霧島市や姶良市、南さつま市などで甚大な浸水被害や土砂災害が発生。地元建設業者は昼夜を問わず復旧・応急対応に当たった。

 霧島市では一部で内水氾濫。住家被害は全壊7件、床上浸水583件、床下浸水371件に上った。道路被害は市道194カ所と林道62路線、橋梁被害が2件。姶良市では土砂崩れにより蒲生町白男地区で1人死亡。加治木町の網掛川では、護岸崩落などで国道10号網掛橋が全面通行止めに。住家被害は全壊1件、床上浸水174件、床下浸水236件だった。

 1993年の「8・6豪雨災害」を彷彿させる大規模なものになり、改めて災害の恐ろしさを印象付けた。道路啓開や大型土のう設置、水道管応急復旧など懸命に取り組む建設業の姿は地域の守り手としての役割を大いに発揮したといえる。

第3位

薩摩川内市にデータセンター

国内最大規模を整備

 台湾のCDIBキャピタルグループと国内の信越科学産業(長野市)が共同設立したカイシンデジタルインフラストラクチャーが薩摩川内市のサーキュラーパーク九州に、国内最大規模級のデータセンター群を整備する。昨年9月、関係者が知事や同市長を訪問。計画を説明し、理解と協力を求めた。

 また、デジタルダイナミック(根来実社長、東京都)が同市入来工業団地に次世代データセンターの建設を計画=図=。敷地面積は約3万5000㎡。受電容量は最大で19MW規模。操業開始は第1期(コンテナ型)が2026年11月、第2期(建屋型)は27年6月以降を見込む。

第4位

県優良工事奨励賞を創設

来年度は業務技術者

 県土木部は、優良工事等表彰制度で建設部長等優良工事奨励賞を新たに創設した。幅広い業種の育成や工事に従事する従業員のモチベーションの向上を図ることが目的。2025年度は専門工事業者等を対象に土木工事39件、建築工事5件の計44件が選ばれた。

 26年度からは優良業務表彰制度に関する優秀技術者表彰を追加する考え。対象業務は、土木関係コンサルタント、建築関係コンサルタント、地質調査業務。優良業務表彰の企業から選定され、その企業の管理技術者・主任技術者か、企業側の推薦者が受賞の対象者となるとしている。

第5位

鹿児島港でプロジェクト

新体育館が設計者選定

 鹿児島港本港区のビッグプロジェクトが動きを見せた。県のスポーツ・コンベンションセンター(新体育館)は設計業務を公募型プロポーザルを実施しており、2月中旬に最優秀提案者等を決める。

 また、鹿児島サンロイヤルホテルは移転先が住吉町15番街区に決まった。鹿児島国際観光は、26年度から基本・実施設計に着手し、29年8月から工事に入る計画。早まる場合は両者協議により定期借地権の期間を前倒しする。現時点の供用開始は32年4月を予定している。

第6位

改正建築基準法等

地場工務店にも影響

 改正建築基準法・建築物省エネ法が25年4月1日に全面施行された。住宅・非住宅を問わず、施行日以降に着工する原則全ての新築建物で省エネルギー基準への適合を義務付け。省エネ基準への適合性判定は、建築確認手続きの中で行う。建築確認手続きについては、一定規模以下の「4号建築物」に対して設けている、建築確認・検査の省略規定も見直した。

 国土交通省の調査では、建築確認申請の審査期間が法改正前の3~7日から、9月末時点で39日までと5倍以上に延びたことが明らかになった。地場ビルダーは確認申請の遅れにより棟数が伸びていない状況もあるとされ、審査機関の負担軽減を一層進めてもらいたい。



第7位

志布志港港湾計画改訂

新若浜に耐震岸壁

 県土木部は、志布志港港湾計画を改訂した。新若浜地区は、先端部で沖合に耐震岸壁(水深9m)240mを2バース計480m築造し、背後地はふ頭用地を造成。また、静穏性確保のため防波堤(350m)を設置し、既存の防波堤100mを撤去する。

 中央部では、コンテナ船用の耐震岸壁(水深10m)185m、輸出原木船用に岸壁(水深10m)180mを設置。外港地区には若浜地区のフェリー機能を移転し、耐震岸壁(水深8m)250mのほか、ふ頭用地や緑地を配置する。



第8位

県、総合評価落札方式

「電気」と「管」を追加

 県土木部は、2025年度から総合評価落札方式(特別簡易型)で全ての案件で下限額を従来の5000万円から「6000万円」に引き上げ、新たな対象として「電気工事」と「管工事」を追加。ワーク・ライフ・バランス(WLB)の評価も週休2日の施工実績に代えて加点対象とした。

 県は生産性向上支援や働き方改革を促進し、持続可能な建設業の実現を後押ししていく。

第9位

サッカースタジアム

2候補地から絞込み

 鹿児島市が県と検討するサッカー等スタジアムの整備で大きな進展があった。両者の意見交換により鹿児島サンロイヤルホテル敷地(与次郎1丁目)等と県立鴨池庭球場(同2丁目)=図=を整備候補地とする。

 鹿児島市が候補地調査業務を実施。鹿児島サンロイヤルホテル(約1万9000㎡)と県立鴨池庭球場(約1万7700㎡)を対象に、配置図やパース図、概算事業費などを検討する。同等施設の設計実績を条件とし、1月9日に入札を行う。

第10位

県内建設業の給与

10年前から3~4万増

 県内建設業の平均給与額が10年前と比べて3~4万円程度上昇している。男性の2024年平均額は33万6000円で、産業全体の数字も上回った。

 厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2024年、企業規模10人以上)によると、県内建設業の「きまって支給する現金給与額」(賞与は含まず)の平均額は、男性が33万6000円、女性は24万4900円。10年前から男性は3万8000円、女性は3万4300円上昇した。

 人手不足に苦悩する中、業界各社が必死の企業努力を続ける姿が浮かび上がる。

=番外編=

県内の建設工事出来高

公共比率、全国トップに

 県内の建設工事出来高が3年連続で大幅に増え、2024年度は1兆1410億8200万円に達した。防衛省が進める馬毛島の自衛隊基地整備等が要因の1つとみられる。総額に占める公共工事の割合も75%程度まで上昇し、全国トップになった。

 今後は、馬毛島基地の完成予定時期が当初計画から3年先送り(30年3月末まで)され、鹿屋航空基地や国分・奄美・瀬戸内駐屯地の施設整備なども継続。国土強靭化関連予算の計上も見込まれ、堅調に推移しそうだ。

工事等の電子保証

19自治体で導入

 県内地方公共団体が発注する建設工事や測量・建設コンサルタント等業務の入札案件で電子保証を導入が進んだ。2024年11月大崎町、12月伊佐市が開始し、県内19自治体となった。

 電子保証は、従来書面で提出していた保証証書を電子データ化し、受発注者がインターネットを介してその内容を確認できる仕組み。証書の郵送や持参が不要となるなど、手続きの簡素化や効率化につながるメリットがある。

県内建設業の労働時間

月平均150時間台に減少

 県内建設業の月平均労働時間(事業所規模5人以上)が2024年は158時間まで減少した。週休2日や時間外労働の上限規制適用を受けた業界の取り組みが色濃く反映されている。

 県の毎月勤労統計調査によると、常用労働者1人当たりの実労働時間は24年の月平均で158時間となった。前年から5.3%(8.9時間)改善し、20年から続いていた160時間台の壁を突破。これに比例して、月平均の出勤日数も20日(前年比1日減)まで減少した。

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