護岸工事が始動
2025年12月11日更新砂浜で掘削作業/嘉徳海岸
奄美大島南部の嘉徳海岸で進められている護岸工事は、9日から作業が始まった。事業区域の砂浜では、今後根固めブロックを設置するための基礎を整える作業として、重機による掘削が行われた。
工事は、県大島支庁瀬戸内事務所発注の嘉徳海岸浸食対策(総事業費約3・4億円)。2014年に発生した台風による高波で集落砂丘での浸食が発生、人家や墓地が崩壊する懸念から、RC護岸による整備計画(L180m×H6m)を進めており、事業完了は30年度を見込んでいる。
この工事を巡っては、一部住民の反対により事業着手から一時中断。反対住民が工事中止を訴えていたが、今年5月、最高裁で訴えが退けられたことを受け、準備が再開された経緯がある。
同事務所によると、バックホウによる床堀のあと、基礎捨石の敷設や土のう設置等を展開する予定。ウミガメの産卵上陸シーズンには工事を中断するが、来夏以降も計画を進めていく方針だ。
地元の住民代表は「要望から9年が経ち、ようやく本格的な工事に入り安堵している。安心して暮らせる環境づくりを進めてほしい」と着工を歓迎した。

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