川内建築四団体 需要減で市に要望
2025年10月09日更新健全経営へ発注増を/平準化、配分比率公表も
川内建築四団体連絡協議会(福永重承会長)の役員らが8日、薩摩川内市役所を訪れ、現下の建築需要減少を踏まえた要望書を田中良二市長に手渡した。人件費や建築コストの高騰が及ぼす影響をアピールし、地元事業者の健全経営につながる発注量の増加を要望。年間を通した平準化や建築・土木の配分比率の公表も求めた。
訪問したのは、福永会長(県建築士事務所協会北薩支部長、FRONT-A)のほか、副会長の田島功輔氏(薩摩川内建築建友会長、田島組)、佐藤壮一郎氏(薩摩川内市電設協会長、佐藤電機)、平野峻岳氏(薩摩川内設備協会長、平野商事)、同建友会賛助会長の德盛卓郎氏(大伸工業)の5人。市側は田中市長と掛田信男副市長らが対応した。
要望事項の柱は、①建築需要の減退に対する市の建築工事発注量アップによる地元関連事業者の下支え②継続的な担い手育成の観点を踏まえた発注の平準化③建築工事と土木工事等の配分比率(2024年度)の公表-の3項目。これを受けて、田中市長は「市内の建築業者等が潤うようできる限り多くの発注に努め、平準化も図っていきたい」と理解を示した。また、土木と建築の工事配分比率については「決算データの分析を行い、後日示したい」との意向を明言した。
このほか、構成団体からの個別要望も提示。「設計意図伝達業務は設計業務と分けて業務人・時間数を提示(または追加随意契約)してほしい」「設計と現場との相違を防ぐための綿密な照査を」「一度に多数の入札案件がある場合は積算期間を確保してほしい」-などを挙げた。
25年度の建築需要は前年度を下回り、4年連続のマイナスとなる公算が高まっている状況。福永会長は「人件費の上昇や残業規制、建築コストの高騰等で中小事業者は苦しい経営環境にある。健全な経営が維持できるよう後押しをお願いしたい」と述べ、現況や今後の見通しに配慮した発注を求めた。