本紙主催 建設技術セミナーがスタート
2025年06月03日更新施工価値が企業の力に/県内8会場で順次開催
鹿児島建設新聞(大迫博人社長)が主催し、県内8会場で順次開催する建設技術セミナーが3日から、鹿児島市のホテル自治会館で始まった。県の入札制度や管内の事業動向など業務に直結する学びを深めたほか、長年全国の建設業者を支援してきた経営コンサルタントの長谷利男氏(えん総合研究所代表)が施工価値を高め、企業価値を向上させる秘訣を伝えた。
県の後援で、27日まで開かれるCPDS・建築CPD認定のセミナー。初日の鹿児島会場には約210人が参加した。
県土木部監理課入札・指導係の大迫勇樹技術主査が講師を務め、入札制度の見直しについて解説した。不調対策や約20年ぶりとなる標準金額の引き上げにも触れ、狙いや期待される効果を語った。
県鹿児島地域振興局建設部からは、土木建築課の馬場園良幸技術補佐と河川港湾課の川路博昭技術補佐が登壇。管内の事業計画や方向性を説明したほか、2024年度に表彰された施工事例を紹介した。また、やました社会保険労務士事務所の山下千博代表による「リーダーに必要な四つの力」と題したプログラムでは、部下とのコミュニケーションや信頼関係を築く接し方を学んだ。
■長谷氏講演
真に価値ある施工を
経営コンサルタントとして、多くの建設関連企業にアドバイスしてきた長谷氏の講演では、企業の価値とは何かを定義し、それを高める方法論について解説した。
施工生産性や工事成績というキーワードをどう捉えるべきかや関係性を説明。企業価値とは「将来にわたって生み出す利益などの総体であり、取引先らが魅力を判断するための指標」と伝え、ブランディングの重要性を説いた。
現場の生産性にも触れた長谷氏は「現状を科学的に分析し、〝無駄な作業〟を減らすことで作業の質は上がる」と訴えた。参加した福留誠司さん(寿産業)は「会社を未来に残すためにも、若い人が主体的に仕事の面白さを感じられるように努めたい」と笑顔で話した。
★きょう、鹿屋市で
次回のセミナーはきょう4日午後1時から、リナシティかのや(鹿屋会場、鹿屋市)で開催。参加者はCPDカードの持参が必要となる。
問い合わせは、鹿児島建設新聞企画営業部(℡099・227・5100)まで。
今後の日程と会場は次の通り。
4日=鹿屋▽5日=姶良(加音ホール、姶良市)▽9日=川内(国際交流センター、薩摩川内市)▽10日=南薩(ふれあいかせだ、南さつま市)▽18日=西之表(西之表市民会館)▽24日=大島(奄美川商ホール、奄美市)▽27日=徳之島(天城町防災センター)