来夏着工へ 教育会館跡地に6F
2025年05月22日更新
レガシー引継ぎ共同住宅/フージャースC
県教育会館維持財団(中川路守代表理事)と不動産売買契約で合意に達していたフージャースコーポレーション(東京都、小川栄一社長)の建築計画の概要が22日、分かった。RC造6階建て共同住宅で、同社は物件の引き渡しを受け9月ごろ解体、2026年7月着工を目指す。
建築予定地は、鹿児島市山下町の中央公園に、3面を囲まれた区域。敷地面積1266.69㎡、地上6階建て延べ4100㎡で、25戸程度の住戸が見込まれる。高さは同市用途地区に制限のある高度地区20m以内の19.96m。
設計は、アッシュアーキテクトスタジオ(福岡市、小田省吾代表)が担当。歴史的建造物とされる同会館のレガシーを引き継ぐ外観等になると見られる。また、展示スペースを確保、教育会館の一部が後世に残される可能性もある。
土地建物を所有する県教育会館維持財団(中川路守代表理事長)と同社は、昨年9月ごろ、不動産契約で合意。25年8月末にも引き渡しが行われ、その後同社が解体に着手。来年7月に着工予定で、およそ1年8カ月の工期のあと、28年3月竣工となる見通しだ。
同社は、不動産開発事業等を全国で展開。これまで県内では、鹿児島市立美術館とかごしま近代文学館メルヘン館の間に位置する同市城山町に、「デュオヒルズ城山」の名称で共同住宅が整備され、2例目の物件とされる。
現在、同会館維持財団は同市下竜尾町に今年6月完成予定で新会館(S造5階建て1987.68㎡)を建築中。保存活用で動き始めた移転計画に触れ、財団の原園正敏常務理事は、「会館の一部が残ることに感謝。歴史的背景を市民に感じ取ってほしい」とコメント。
同社担当者は、取材に「地域に親しまれる共同住宅として認知されるとうれしい」と話した。