瀬戸内町の眞久慈T、供用開始
2025年03月24日更新式典で完成祝う/大島南部の交通網整備
県が主要地方道・県道名瀬瀬戸内線の伊目工区で整備を進めてきた「眞久慈(まくじ)トンネル」(L326m)が22日、開通した。同日、現地で開通式典や通り初めが行われ、住民や県・瀬戸内町のほか奄美大島島内の自治体関係者、三反園訓衆議、地元選出の県議会議員、工事関係者ら約90人が出席。防災強化や利便性向上につながる交通インフラの完成を祝った。
同トンネルは、幅員が狭く、土砂崩れによる通行止めが発生するなど、防災面での課題を抱えていた同町の古志地区と久慈地区を結ぶ道路の改良として整備された。同日午後1時、通行開始を待ちわびた車両が往来した。
2013年度に始まったバイパス事業では、丸福建設・畠山建設・伊東組JV施工によるトンネル本体工が22年1月に着手し、翌年7月完了。交通距離は約770mの短縮が実現した。総事業費約28億円のうち、トンネル工事に約16億円が投じられ、今後は未整備区間(伊目側280m)の整備に入る予定だ。
供用開始に伴い、古志側坑口で開通式が開かれ、関係者の代表らがテープカット。横断幕を掲げた住民らとともに徒歩で通り初めした。
このあと、旧久慈小中学校で祝賀会があり、松藤啓介県大島支庁長が「幹線道路の整備による交通ネットワーク形成により、地域の安全安心な暮らし、産業振興につながる」と挨拶。また、鎌田愛人瀬戸内町長は「産業の活性化や観光への波及など多くの効果が見込まれる」と述べ、今後の地域発展に期待を寄せた。
なお、感謝状贈呈では、施工者を代表して丸福建設の前村好人専務取締役に賞状が手渡された。