かごしま~支局長のつぶやき~東西南北~
2026年02月06日号(2面に掲載)
街づくりの問いかけ/おがみ山BPが描くもの
視界に飛び込んできたのは、さながらSF映画の1シーンか。内側を透明なシートに覆われたトンネル内部で、巨大なドリルやアームが装備された重機はまるでロボットのよう-。
奄美市内で先日、県大島支庁発注の国道58号おがみ山バイパス事業(大成建設・植村組・村上建設・大和建設JV施工)の現場見学があった。トンネル(本体工L1225m)は全体の3分の1ほどを掘り進み、大規模な特殊工事の様子に、参加した親子は圧倒され、珍しい重機類にも目を奪われていた。
市街地直下で進むこの事業は、単なる道路整備の枠を超え、これからの都市のあり方を象徴するテーマを内包する。慢性的な渋滞緩和や救急搬送の迅速化など、住民生活の質を底上げする効果は疑いようもないはずだ。
一方で、世界自然遺産の島として、環境への影響を最小限に留める責務も忘れてはならない。地域整備と自然保全という二つの価値をどう共存させるか。その最適解を模索することは、いま奄美が直面する現実だろう。
世界遺産の島にふさわしい都市づくりに向け、このバイパス事業が住民のため、また質の高い公共事業を求める基準として、無事に完工する日を迎えることを願っている。
(川内博文・大島支局長)

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