かごしま~支局長のつぶやき~東西南北~
2025年09月12日号(2面に掲載)
旧暦で迎える奄美のお盆/本土の休暇、島の営み
奄美群島の多くの地域で、お盆を旧暦に合わせて行っている。今年は旧暦の7月13~15日に当たる9月4~6日がその期間だった。
県本土を含め、全国的には「月遅れ盆」と呼ばれる8月13~15日が主流だろう。本来なら新暦で行う行事を、子どもたちの夏休みと重なるなど生活習慣の変化から定着してきた。近年では祝日「山の日」や週末を組み合わせ、より長期の休暇を設定する企業も増えているようだ。
奄美でも一時期、本土の慣習に合わせて月遅れ盆での休暇導入を検討する動きがあった。
しかし、地域の文化や慣習を尊重する風潮から、実際に月遅れで行うのは奄美市の一部や徳之島、沖永良部島となっている。ちなみに旧暦は年ごとのずれがあるので、年末に翌年のカレンダーを見ながら「お盆はいつ」と確認するのは奄美ならではの〝あるある〟だ。
弊社は本土に本社を置くため、お盆休みは8月中旬に設定される。しかし、奄美の自治体ではその時期に工事の入札が行われ、役所も通常通り業務をする。大島支局にも取材依頼や問い合わせが寄せられるため、結局は業務をこなし、後日代休で調整することになる。
本土の慣習と地域に根付いた文化の狭間で、調整に追われるのもこの時期ならでは。奄美の季節を彩る一景なのである。
(川内博文・大島支局長)