8代目 県庁舎誕生ものがたり ⑪ 県民等から意見を聴取

2025年04月09日号(4面に掲載)
8代目 県庁舎誕生ものがたり ⑪ 県民等から意見を聴取

設計者選定、基本設計終了まで⑤~平成3年(1992.3月)/県建築士事務所協会、県設計監理組合顧問 崎元 博典

外観のデザインについて触れておきます。

 3庁舎は、規模(議会-SRC造一部地下1階・地上7階・塔屋、1万2686㎡ 行政-S(一部SRC)造地下1階・地上18階・塔屋2階、7万8622㎡ 警察-SRC造地下1階・地上9階・塔屋、2万4047㎡)に違いがありますが、独自性と統一性を持った三層構造となっています。

 低層部は、重厚さ・風格を表出するため、花崗岩等を使用し、重厚感のあるどっしりとしたイメージ。中層部は、タイルを使用し、落ち着いたイメージ。高層部は、それぞれがランドマーク性のある頂部デザインを持ちながらも金属等を使用し、軽快感を与えるイメージで外壁にはホワイト系のラスタータイル、屋根にはそれぞれチタンが使用されています。

 また、外装のカラーは、鴨池ニュータウンの開発時に取り決められていた「鴨池海浜ニュータウンカラープランニング」に則り、中層部の外壁タイルは、「かもいけタン(日焼けした肌の色)/マンセル記号6YR7/2」という淡く明るい茶色の色彩を基調に計画されました。

 南北の駐車場は、当時の用途規制により1階までの制限があり、2階以上の立体化はしてありませんが、北駐車場の屋上庭園化は、当時の土屋知事の意向でもありました。

 基本設計段階において県議会で議論されたテーマの一つが、行政庁舎屋上に計画するヘリポートの利用目的の件でした。同へリポートは、庁舎自体の火災時の職員や来庁者の救助活動など限定的に活用する目的で設定されていたのですが、議会では、離島などからの救急患者の移送等に使用できないか、との要望が出たのです。

 これに対し、構造上の問題などから救急搬送用としての使用は困難であるとの答弁で理解を求めました。現在では、ドクターヘリが導入され、日中は、救急医療専用のヘリコプターが鹿児島市立病院の屋上へリポートに待機し、県本土,甑島,熊毛地域、三島村を運行範囲として活躍しています。

 基本設計終了段階では、県の広報媒体のほか、模型を県庁本館の玄関ホール及び当時の県内各地の合同庁舎など計8カ所に展示し、意見箱も設置するなど、広報に努め、庁舎の施設・設備に関するものなど135件の意見を頂きました。

 また、県職員との意見交換会も開催し、執務環境や福利厚生面など74件の意見・要望がありました。その中で、ある女性職員の「託児スペースは設けないのですか」との質問が記憶に残っています。現在では、福岡県庁などに保育所等が併設されていますが、鹿児島県庁には、まだ設置されていないのが現状です。

ヘリポート(行政庁舎屋上)(県記念誌)
全体模型(基本設計書)

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