塩田知事に要望書
2025年06月11日号(5面に掲載)
嘉徳の護岸工事が前進/瀬戸内町
奄美大島南部の嘉徳海岸で進められている護岸工事について、瀬戸内町の鎌田愛人町長らが6日、鹿児島市の県庁を訪れ、工事の早期完成を求める要望書を提出した。
工事は県大島支庁瀬戸内事務所発注の嘉徳海岸浸食対策(総事業費約3億4000万円)。2014年に発生した台風による高波で集落砂丘での浸食が発生、人家や墓地が崩壊する懸念からコンクリート護岸による整備計画(L180m×H6m)が進められてきた。
この工事を巡っては、一部住民の反対などで度々中断し、事業着手から約9年が経過。反対住民が工事中止を訴えていたが、このほど最高裁で訴えを退ける判決が下されたことを受け、生活の安全を願う地元の町行政や議会、住民関係者の代表者が出向き、再開を求める要望書を塩田康一知事に手渡した。
塩田知事は「最高裁の判決が確定し、県の主張が認められた。台風シーズンも近づいており、早急に着手できるよう進めたい」と工事再開に意欲を示した。
面会後、鎌田町長は「知事にも重く受け止めてもらった。工事が粛々と行われるよう県と協力していきたい」と話し、改めて早期の完成を願った。