鹿児島建設新聞

エヌオーエス 森聡 二郎 氏

Profile

 「最先端を人間らしく伝えていこう」。OA機器の販売・保守・レンタルを主要業務に事業展開する。「すべてはお客様の感動のために」のミッションの下、お客様がITを活用して生産性高く業務ができるよう支援する。その守備範囲は広く、県内をはじめ宮崎県や熊本県南部といった南九州エリアをカバーする。鹿児島市在住で、社員が所属するフットサルチームなどで汗を流す。駒澤大学卒業。39歳。

 同社は、1993(平成5)年2月、鹿児島市上福元町で永田芳信氏が創業し、95(同7)年10月に法人登記。現在、同市坂元町の本社と鹿屋市寿の鹿屋営業所を拠点に事業を進め、中小企業向けITネットワーク環境の構築、OA機器販売・施工・保守を手掛ける。特に近年、年商は対前年比2割増しで推移し4億円超を記録するなど、活気に溢れている。
 ただ、2代目となる森聡二郎社長が就任する直近3年間、「16人が入って16人が辞めていく」という不安定な時代があった。この頃、永田氏は経営の建て直しなどで鹿児島商工会議所に相談。同事業引継ぎ支援センター紹介先数社の中からスターティア㈱(東京都)を選択、2015(同27)年に資本提携し、スターティアホールディングスのグループ入りも決まった。

朝礼風景

 森社長の着任は2016(同28)年1月26日。「人生初の鹿児島は、前日降り積もった真っ白な雪が印象的だった」と振り返る。出身は、富士山の見えるマグロ・カツオの水揚でにぎわう港町、静岡県焼津市。「気候も県民性も似ている」と感じ、「すぐに馴染めた」と語る。
 翌年2月の社長継承までの間、「私自身やスターティアが社員やお客様を大切にしてくれているのか、試されていたはず」。それでも、着任後すぐに「永田社長からは任せたよ」と言われた。「M&Aというと、良くないイメージが先行する。社員の不安を払拭し、信頼を築かなければ」との思いがあった。
 現在、エヌオーエスは若手社員も増え、着任当時、社員・役員含め17人だった従業員が26人。また、平均年齢も3歳若返り39歳、社長自身と同年齢になった。若手社員には、先代社長の息子でインフラソリューション部部長も務める永田聡氏(42歳)も在籍。技術分野の総括責任者として厳しい任務を担いつつ、事業所に一体感をもたらしている。

修理イメージ

 社員待遇も一部取り入れ、ペイメントサービスを導入、月々2000円の食事代を補助。書籍購入や資格取得、地域貢献活動費の3分野を対象に、年間一人当たり1万3000円が上限の自立支援金制度も。また、年2回、東京で開催される「全社会議」に参加し「目指すべきゴールを確認している」。現在は、コロナ対策で、19(令和元)年以降、オンラインだ。
 さらに、社員研修が、新卒者を対象に「同期の輪を作ってもらうため」1~2年、東京で実施。既存社員向けには、コロナ前まで、選抜の上、「ITリテラシーを高め、外から地元鹿児島を見てもらおう」と、1~2週間の東京研修の機会を確保してきた。

社内風景

 目標は南九州一のITソリューション企業。だが、これまで大阪や名古屋など各地に転勤し、鹿児島は7年目となった。「異動にノーと言ったことはない。使命があればどこへでも」。後継者が育てば鹿児島を去ることも。「オンラインとデータ共有は、コロナ禍で5年早まった」。既に、ホールディングス関連3社の15拠点も「新しい働き方になれば」と、ネットで統括する。
 高校時代は、静岡県立藤枝東でサッカー部に所属。1級下に長谷部誠がいた。「誰もプロで活躍できるとは思わなかった」。「そんなこと(日本代表キャプテン)ができる性格でもなかった」。教訓と捉え、誇りに思うのは「考え方が変わると、あそこまで人生が変わる」から。同じ環境にいた者として、「ビジネスの世界で夢や希望を与えられるような存在になりたい」。

更新日:2022年03月

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