鹿児島建設新聞

大山組 大山 卓郎 氏

Profile

 創業は登記上1973(昭和48)年5月となっているが、それ以前に父親の大山修司氏が興した建材店と大山ブロック工業を合併、この年法人化に合わせて総合建設業としてスタートした。「建設業が好きだ」という卓郎氏は、福岡の東和大学(現・純真学園大学)建設工学科で建築学を専攻、旧大根占町議会の議員も務めた父に憧れ卒業と同時に帰郷し入社。経営や地域づくりに対する薫陶を受けつつ修行を重ね、2001(平成13)年から代表に就任した2代目だ。錦江町の夏を彩る「レゲエ浜祭り」実行委員長も長年務めるまちの演出家でもある。

 鹿児島湾を右手に車で走る。国道220号に別れを告げ、鹿屋市の古江漁港からさらに南下すると国道269号に接続し、やがてトロピカルな雰囲気ただよう神川キャンプ場に至る。神ノ川を渡り旧大根占町市街地に入ると、右手にブルーの大山組の看板がすぐ目に飛び込んでくる。

社屋

 事業を引き継ぎ20年の大山社長は、昭和42年11月1日生まれの53歳。従業員15人を率い、官公庁を主体に工事を受注し、完工高はここ数年2億円で推移している。「引き継いだ当初、浮き沈みも激しく、厳しかった。20年近く経過し、民間とのバランスも取れるようになり、うまく乗り切ってこられた」。現在、建築と土木の割合はほぼ半々。肝属郡錦江町の建設業許可業者22社(2021年8月20日現在)の中では、地域リーダーの一角を占めている。
 また、経営では、後継者として期待を集める息子で入社2年目の創央(そう)氏が事業に参加。創央氏が結婚し独立したため、家族は母親で取締役の睦美さんと、総務経理を担う洋恵(ひろえ)夫人の3人で暮らす。

リノベーション

 先代の修司氏は、現社長の卓郎氏に事業を引継ぎ2002(平成14)年、同社会長として亡くなっている。同社のある肝属郡錦江町は、大隅半島最南端の南大隅町北隣に位置し、旧大根占町と旧田代町の合併で2005(平成17)年3月22日に誕生。修司氏は旧大根占町の町議会議員も務めるなど、地域社会に大きく貢献した。
 卓郎氏は、建設業について「なんと言っても、小さいころから目にしてきた、ものづくりの現場」。その魅力について「多くの方とのかかわりを通じて成し遂げることができる。完成したときの喜びは格別ですよ」。人懐っこい大きな丸い瞳で、愛嬌たっぷりに力説する。その姿は、先代から受け継いだという「謙虚」に裏打ちされた人柄が、にじみ出ているようだ。 
 好きな言葉は「信念を貫く」。高校時代は鹿屋工業に学び、空手でインターハイにも出場。当時開催地の沖縄大会で団体ベスト8まで進出した。

レゲエ

 現在、建設業に打ち込む傍ら錦江町商工会にも参加し青年部長を経て理事、また、鹿児島県商工会壮青年部副部長も務める。2020(令和2)年で10回目を迎えた「錦江レゲエ浜祭り」では、初回から実行委員長としてまちを盛り上げる。イベントは、キャンプ場に隣接する神川ビーチで開かれ、1000人を超える来場があり、開聞岳と夕陽をバックに、老若男女がレゲエのリズムに酔いしれる。当初お願いしていた参加アーティストも、回を追うごとに日程確認で先方から連絡が来るという。(21年はコロナ禍により中止)。
 卓郎氏の地元愛は、観光交流だけにとどまらない。「地域おこし協力隊」の隊員受け入れを通して、全国から人材募集にもチャレンジ。隊員とのコラボで進めた「空き家リノベーション」もその一つ。ゲストハウス「よろっで」のオープンには、素人が考えた図面に実用性を担保した。
 錦江町について卓郎氏は「海、川、山どこでもキャンプがし放題。不自由は不自由として楽しめる」。また「移住者が入りやすい環境づくりこそ、Uターン希望者を勇気づける」と暮らしの楽しみを語る。

更新日:2021年9月

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