鹿児島建設新聞

鹿児島ハマ産業 大竹山 靖浩 氏

Profile

慶應義塾大学理工学部機械工学科を卒業。2008年、ボイラープラントをはじめとしたエンジニアリング企業として国内外で事業展開する㈱タクマに入社。5年間勤務し2013年に帰郷し、37歳になった7年後に3代目社長に就任した。家族は、両親のほか小児科医として鹿児島大学病院勤務医の姉(2児の母)と、鹿児島ヨコハマタイヤ㈱に勤める弟がいる。現在は、3月に入籍した夫人と二人暮らし。会社は鹿児島市南栄6丁目。「凡事徹底」の精神と「メンテナンスカンパニー」として業界№1のスピード対応を心掛ける。

 1950(昭和25)年、同社の前身となる「鹿児島ヨコハマタイヤ販売株式会社」が誕生。1969(昭和44)年に大竹山武吉氏のもと現在の社号に変更したほか、タイヤ部門を独立させ鹿児島ヨコハマタイヤ㈱を設立した。息子の健氏が2代目として、1989(平成元)年から2020(令和2)年までの32年間、事業を継承。鹿児島県内各地で拡販を支える販売店との連携体制を固めてきた。
 「販売店と共に成長する」。父や祖父から受け継ぐ精神は、30年以上にわたる販売店との交流会や勉強会を通じて育んできた。武吉氏の孫に当たる靖浩氏が、3代目に就任したのは、昨年10月27日。健氏の70歳と創業70周年の年がリンクした。「販売店会は昨年、コロナ禍の影響から開催できず残念。感染が落ち着いたら是非開催したい」と語る。

製品

 事業の柱は、工業用ゴム製品の販売のほかスポーツ施設施工、土木工事業等。近年、年商は6億前後で推移し、取扱商品は、建設機械で使用する高圧ホースなどの産業用ゴム製品、搬送ベルト(工業用・食品用)、スポーツ施設で使用する人工芝やゴムチップなど。
 建設機械の油圧システムに使用される高圧ホースは重要な役割を果たし、今後も安定した需要が見込まれる。しかし先が見通せない時代と言われ、さらにコロナ禍。「顧客ニーズに耳を傾ける企業+αの環境への適応」が鍵になると捉える。「変化に対応した提案ができなければ、会社にとって(経営環境は)厳しくなる」と備えは怠らない。

ホース

 建設現場は高圧ホースの破損があれば重機が止まり工程に影響を与える。高圧ホースの交換はスピードが命だ。しかしその種類はホースの圧力やサイズ、接続する金具の種類など多種多様であり、在庫の確保と各地現場で対応できる販売店とのネットワークが重要となる。飼料工場のコンベアベルトも顧客の産業活動をより効率的に運行するために、定期的な点検報告のサービスを提供している。現場の即時復旧への対応、産業活動を止めない体制への備え。事業に付加価値をつけ、顧客満足度を高めることで利益が確保できる体制を積み上げてきた。
 しかし順風満帆であったわけではない。利益を十分確保できず従業員の入れ替わりが激しい時代もあった。それでも、厳しい経営ながら地域密着に心がけ、昭和、平成を駆け抜けた。そんな父の姿をみて、自社の存在意義を確立し地域に必要とされる企業であり続ける大切さを学んだ。

会社全体

 バスケットボールに夢中だった学生時代、大学では理工学部体育会のサークルで活動。志學館高校ではキャプテンを務め、このとき「人をまとめることの難しさを初めて感じた」。趣味はスポーツ観戦。現在は、建設業経営者の紹介で4年前入会した青年会議所活動が仕事以外で大きなウエイトを占める。様々な活動を通した「まちづくり、ひとづくり」で交流の幅を広げる。
 性格的には、どんなことにも楽しさを見つけるタイプで「凝り性」を自認。中学時代の同級生が中央競馬会の厩務員だったこともあり、競馬場にはよく通った。「期待の馬を決めて、展開をシミュレーションするのが楽しかった」。8月、38歳の誕生日を迎える。

更新日:2021年7月

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