鹿児島建設新聞

サンプラスワン 巽  誠宣 氏

Profile

鹿児島東高校国際教養科卒。城山ホテルかごしま(前城山観光ホテル)遊技部勤務を経て、父・純三郎さんが立ち上げた個人経営の会社を手伝い仕事の基本を学んだ。現場担当・営業課長を経て2003年に社長に就任。今月から将来を見据えて機械警備部門に参入。家族は妻、子ども一人の3人家族。趣味は読書、ゴルフ。中学・高校時代は柔道、ラグビー部に所属、活躍した。好きな言葉は一期一会。努力は決して人を裏切らない。鹿児島市出身の47歳。会社所在地は鹿児島市与次郎2丁目。

 23歳の時に父と一緒に会社を立ち上げた。警備の世界に飛び込んだが、全く右も左もわからず失敗、反省の毎日。「とにかく無我夢中で走り続けた」と、振り返る。それだけ変化の激しい業界に身を置いてきた苦労人らしく、前を向く姿、真剣な眼差しには強いプライドが感じられる。
 国内の警備業界は、セコム、綜合警備保障、セントラル警備保障の大手3社が売り上げの8割を占め、あとはどんぐりの背比べ。鹿児島では、鹿児島綜合警備保障が一つ頭抜けだし、その後を、全国警備保障、サンプラスワン、ガードシステム鹿児島、南国警備などが肩を並べている状況。会社の位置づけとしては〝中堅〟どころ。
 社長就任後、会社の営業拠点化にも力を入れ、南さつま、薩摩川内、霧島、都城と拡大、全部で5営業所、1分室、1出張所、1支店を整備した。警備業界にあっては欠かせない資格取得についても警備員指導教育責任者(1〜4号)、交通指導(1〜2級)、雑踏警備(同)、施設警備(同)、空港保安警備など延べ180人など、人材育成の観点から力を入れる。

会社全体写真

 警備の仕事は、大きく分けて交通誘導警備、雑踏警備、施設警備、機械警備、核燃料物質等貴重品運搬警備、空港保安警備、列車見張り業務など。現段階では、交通誘導、施設警備の比重が高いが、セキュリティの面からカメラ、各種センサーなどの機器を導入しての機械警備に力を入れる会社が増加傾向にある。
 「とにかく無我夢中だった」と、創業時を振り返る誠宣社長だが、そこには60歳を過ぎてから会社の廃業を機に心筋梗塞で倒れた父・順三郎さんに対して、三日三晩不眠不休で頑張り通すなど体を張って仕事をしてきた感謝の思いがある。「これまでの父の苦労をムダにしてはならない」という思いも重なって、心の支えになったことも想像できる。
 こうしたことが反面教師となって、経産省の健康経営優良法人2020中小企業部門に選ばれるなど、社員の健康管理面にも力を入れる。鹿児島市のかごしま健康企業宣言管理事業所の指定を受けるなど、おつかれさまデー、カレーの日制定など職場改善にも先駆者としての力を発揮する。

警備

 社名のサンプラスワンは、「生命の源は太陽。それにプラスで何かを提案できる会社にしよう」と、発想を飛ばし会社のイメージ戦略として思いついた。まさに暮らしに安心をプラスする企業を目指している。
 会社業績も創業当初は6、7000万円台で推移、この間踊り場もあったが、堅調に復活を遂げ、なんとか10億円の大台に乗せるなど、将来展望に向けた明かりが見えつつある。
 人手不足が大きな壁として立ちはだかる中で、大きな鍵は人材確保。250人の社員の平均年齢は55歳。若年層が少ないのが悩みで、業界全体としての課題も多い。季節で仕事が偏らないようにする発注の平準化、価格の維持などを強化、それに〝安値競争〟〝旗振り企業〟などと呼ばれる劣悪環境からの脱出も大きなキーワードだ。

会社看板

 以前、鹿児島中央駅近くにあった社屋も与次郎2丁目の一等地に構え、外壁には青と黄色のロゴマークをあしらった「サンプラスワン」の文字が鮮やかに映える。
 企業を組織化した法人化で捉えると2代目だが、実質的には警備会社を立ち上げた創業者。平成5年の設立から28年。「確かな経験、豊富な実績をベースに安全をプラスできる企業。そして堂々と胸を張って価値を提供できる企業であり続けたい」と、中堅企業の若手リーダーは、将来像を描く。

更新日:2021年6月

お知らせ

    CPDS・CPD認定講習会

    新聞購読お申し込み メルマガお申し込み

    KISS-WEB会員情報を無料で
    お試しいただけます

    無料体験申込

    デモはこちらから↓

    KISS-WEB会員情報デモ版

    PR情報

    アンケート調査