鹿児島建設新聞

アドバンス開発 松尾日出典 氏

Profile

加治木高校を経て鹿児島大学工学部機械工学科に入学。3年で中退。交通安全施設関連の会社に就職、その会社が売却され名義が変わったこともあり、平成10年に退職と同時に知り合いら3人と一緒に新しく法面保護工事の会社を立ち上げ、独立した。平成26年に会社を法人化、株式会社として再スタート。弟の利廣さんらと会社を盛り立てている。従業員は社長を含めた8人体制。資格は一級土木施工監理技士、法面施工管理技士などを保有。家族は妻、中学2年の息子の3人。姶良市西餅田出身。会社所在地は鹿児島市宇宿3丁目。52歳。学生時代は硬式テニスにはまった。趣味は「仕事?かな」と苦笑いする。

法面保護の仕事が性に合っていたこともあり、平成26年に会社を法人化、同時に建設業の許可も取得、約2年ほど前から鹿児島市の入札工事にも参加できるように態勢を整えた。現在は下請けが大半だが目指しているのは元請け。法面保護のプロとしての誇りをのぞかせる。
 大学中退の時、これまでの両親の恩に報いるために「人の2、3倍は頑張る」と覚悟を決め再出発を誓った。学校の教師だった父の典宜(ふみよし)さんが応援団長として手を挙げてくれた。「まずは目の前のことを一生懸命頑張る。そして着実にステップアップする」と自分に言い聞かせ、自分を奮い立たせた。アドバンス開発という社名には、着実に前進する再起の思いが込められている。「自分はくよくよしない楽天家」と、飄々と生きる姿には好感すら持てる。
 応援団長の父・典宜さんが考えてくれた「やり抜く 楽しみ抜く 豊かに生き抜く」が会社の経営理念になって人生を支える。

経営理念

 折角入った大学だったが、3年の時にあっさり退学の道を選択。前に進むことを決断した。「今までに経験したことのない大きな挫折だったが、意を決しての出発点であり、人生の転機」と、勝負に出た。
 「やるからには明るく楽しい会社へ。そのためには技術力を高めて信頼度を高め、地域、社会に貢献できる企業を目指したい。実績を積み上げて地道に体力をつけなければ勝負するための土俵には上がれない。いくらかは発展するための伸びしろもないといけない。世の中にはいい仕事をして順調に伸びる会社、手を抜く会社など、いろいろある」と、安定経営で生き残れる企業に照準を定める。営業種目は、モルタル吹付工事、コンクリート吹付工、現場打ち特殊法枠工、植生基材吹付工、客土吹付工、各種子吹付工、落石防止網工、鉄筋挿入工などの法面保護工事を中心に地すべり対策工事、一般土木工事、交通安全施設工事と多彩だ。

施工現場

 「社会的に信用され、認められないと次のステップには進めない。自らも納得して、常に自分の会社をアピールできる存在感のある会社にしたい。ちゃんとした仕事をする会社は、準備から段取り、後片付けまできちんとできる」業界の大先輩から教えられた教訓がある。それはフィニッシュの終わり仕舞いができないと、一貫した首尾は整えられないということ。「途中のメンテナンス、着実な保守・点検作業ができないと、評価されないし、最終的な信用・信頼は得られない」。
父・典宜さんが考えてくれた会社の経営理念「やり抜く 楽しみ抜く 豊かに生き抜く」は、気が付いた時には復唱するほどのお気に入りの名言だ。人生の節目、節目で「人より数倍の努力」を、人生の教訓、生きる糧にしている。この理念を柱にして「技術力№1の企業」「人とのふれあい、絆を大切にする企業」「自己の人間力を鍛える」「使命感と情熱を持った取り組み」「働きがいのある職場」「社員の幸福の追求」を日々の努力目標に掲げる。

法面

 朝5時半に起床、谷山慈眼寺の倉庫に集合、6、7時には仕事場に向かう。夕方5時には後片付け、毎日の反省、翌日の作業の準備などをして6時—8時半ごろには帰宅するのが日課。「きついと思うこともあるが楽しい」「納得の充実した人生」と、振り返る目は自信がみなぎっている。売り上げも着実に安定軌道に乗りつつある。

更新日:2021年2月

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