鹿児島建設新聞

ほんじょう建設 船脇 須奈夫

Profile

通信課程の鹿児島西高校を卒業。1級土木施工管理技士、2級舗装工事士、建築仕上げ診断技術者、道路橋点検などの資格保有。スタッフ9人の平均年齢は 38歳。固いチームワークと連携、フットワークの良さを身上とする。全員で知恵を出し合い、ベストを尽くすことを最大のモットーとする。現在、妻・奈穂子さんと2人暮らし。旧吉田町(現在鹿児島市)出身の45歳。

 同社は現会長の功さんが昭和56年に創業した。元々は永田重機、思川建設、本城建設の3社によるグループ経営でスタートした。兄の太渡志さんは2代目として平成12年から後を継ぐ。十数名の従業員と共に家族で経営をして細々と続けてきた。平成の大合併、民主党政権への移行期、公共工事の減少など幾多の試練を経験。様々な要因で売り上げは急激に落ち込み、事業を辞めようかという危機にも何度か直面した。
 いくつもの危機を乗り越え、細々ながらなんとか歴史を繋いできた会社も今年で40期の節目を迎える。

現場1

 須奈夫氏が3代目として社長に就任したのは平成20年、33歳の時。会社を継ぐべきか、大きな決断を迫られた。現会長の功さんが築き上げてきた創業の歴史、伝統をこのまま終わらせてはならないとう思いが会社を継ぐという決め手となった。
 社長に就任以来「建設業として生き残るためには社員の技術資格確保が生命線」と、セミナーや研修会など積極的に受講を促し全員に目標を持たせ、毎年何かに挑戦させている。
 経営理念などは特別掲げていないが「一生懸命はカッコイイ!!」がモットーだ。そのためには、スタッフ全員で一流の技術を身に付けて、丁寧な施工能力を駆使して、実績を積み、信用を得ることが一番。「社員のやる気は、仕事に対する発注側からの高い評価、そして地域密着企業として地元に貢献することで成長する」という気概は常に忘れない。「少人数でも高い技術力、機動力、人間力があれば、必ず苦境を突破できる」と信念を持ち続けることで、小さな工事でもコツコツ受注、実績を積み上げることに注力した。

現場2

 大きな転機は、これまで事業の柱としてきた一般土木工事一辺倒からの脱却。約7年程前から業種を細分化して需要を掴む戦略に方向転換、メンテナンスなど新分野の仕事に力を入れ始めた。
 高度成長期に集中的に整備されてきた道路構造物(橋梁、水路、法面等)などは寿命を迎え、老朽化が進んでおり、メンテナンス強化や架け替えなどの延命化が迫られている。それは橋梁補修、水路補修、法面保護、橋面防水工、高欄取替工、伸縮装置工、モルタル吹付工、ひび割れ補修工、断面修復工、表面保護工だったりと多岐にわたる。通常の一般土木事業だけでなく、メンテナンスを含めた多様なニーズに対応できる企業として「なんでもできる小回りの利く便利な会社」へのシフトを図る。業界の最大の課題は人手不足への対応。ICT化、AI化が叫ばれるが、まだまだ人手に依存する作業が多い土木・建設業。社員全員でミーティングを重ね、6月にベトナムからの外国人労働者2人を受け入れることを決めた。

 地域密着・地元貢献では、会社近くの橋梁架け替え工事の際、全面通行止めにしたところ、近隣住民や商店から「買い物に行くのに不便」「遠回りしなければならず大変」という声を耳にして、時間規制に切り替えて対応するなど地元企業ならではの配慮をして喜ばれた。「地域のために感謝される企業へ」。ちょっとした心遣いが地域に響くことを知るきっかけにもなった。

 「片田舎の小さい土木・建設会社。でも地道に積み上げてきた鹿児島の未来の街づくりの一翼を担っているという自負はある。歴史を引き継ぎ、技術を繋ぐという技術者としてのプライドもある。真面目な仕事が自分たちの強み。一生懸命、入札ランク引き上げにも努力したい。2年に一回の海外旅行、週休2日制、社員の福利厚生の充実、働き方改革、技術+工具、資機材の充実、総合的にレベルアップ」と、ひたむきに会社経営を語る三代目の姿は頼もしい。6月、会社の隣接地に新社屋建設の準備も進む。「とにかく素晴らしい社員、先輩、協力会社の方々に恵まれここまで来られた。感謝です」。一生懸命さが伝わってきて、こちらもうれしくなった。
新社屋完成パーツ

更新日:2020年4月

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