鹿児島建設新聞

マトヤ技研工業 益留福一

Profile

岩川高校電気科から大阪の電機メーカーに就職。働きながら大阪工大工業経営学科に学び、機械メーカー勤務を経てUターン。昭和60年(1985)6月、同僚3人でマトヤ技研工業を創業。社名は3人の苗字から一字ずつ取った。「夢・想像は創造の源」をモットーに田舎でも世界に通用する〝小さな大企業〟を目指している。家族は妻と2人暮らし。趣味は絵とゴルフ。好きな言葉は「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。曽於市末吉町出身の70歳。

自社工場内に開発、機械設計、制御設計、加工・組立部門を持っていることを強みにオーダーメイドの機械装置の製作、モデルチェンジ等に柔軟に対応する。高精度、短納期、低コスト化を実現、構造の複雑な自動機械装置の製作・施工を得意とする。曽於市末吉町南之郷にある自動省力機械メーカー。食肉処理関係を中心にユニークな省力機器を次々開発、主力商品では国内市場シェア9割を獲得する業界の標準機に成長させた。とくに近年叫ばれている人手不足対応では、大人5人分の仕事をわずか1人で終わらせることができる省力機械を開発、その柔軟な発想と高い技術力は業界関係者から注目されている。

益留社長は小さいころから絵が好きで、これが設計の仕事につながった。「これからは電気の時代」と、岩川高校の電気科から大阪の電機メーカーに就職、制御盤の設計をしながら大阪工大の夜間部に通い工業経営学を専攻、機械メーカーにも勤めた。約12年かけて電気制御と機械設計技術を学び、30歳で帰郷。農業機械の開発を1年余り行った後、都城市の機械メーカーに4年勤務。その後会社の同僚と将来の夢を語り合ううちに意気投合、「これからはアイデアで勝負」と、36歳で念願の起業を果たした。

会社風景

設立当初は、商工会議所の名簿を手に営業に回った。初めはなかなか仕事にはつながらず、京セラにいた知人を頼って仕事を受注、電子部品製造工程の自動省力機器の設計・製造などで食いつないだ。過去に勤めた大阪、京都の会社は、いずれもユニークな自社商品で成長、輸出で勢いに乗っていた。現状を目の当たりにし「下請けでは駄目だ。自社商品なしには成長はない」と市場リサーチを開始、地場産業の食肉機械開発に目を付けた。地元・末吉町には食肉処理を専門とするナンチクなどの地場企業があり、需要ニーズに対応した商品開発に取り組んだ。

そんな思いから生まれたのが豚枝肉の肋骨はく離機「ミスターテンダー」。この作業は当時すべて手作業に頼っており、若い力のある男性にしかできないとされてきた重労働。「この食肉処理作業の悩みをなんとか解決できないか」と、ナンチクの子会社と2年がかりで共同開発した。人の動きを機械(動力)に置き換えて、作業を楽にする機器。機械先端部に装着した補助レバーの掛け輪(ナイロンテグス製)に肋骨を引っ掛け、引き金を引いてエアシリンダーを駆動させることによって簡単に肉をはく離できる。これだと、年配者や経験の浅い作業員でもロースバラ肉一枚の肋骨はく離作業が10秒前後で可能。作業疲労が飛躍的に軽くなり、食肉処理業界で脚光を集めた。営業に回る先から注文の電話が入り、手応えを感じた。実用新案も取得、全国の食肉処理工場で導入が進んだ。今では標準機として普及、目指していた「輸出のできる会社」という大きな夢も達成した。

商品案内

その後も顧客ニーズに対応する商品開発に取り組み、業界の3Kと言われる課題解決に向け、豚肩肉の肩甲骨はく離機「ミセスイージー」、大腸切開機「ドームくん」、豚、牛の小腸切開機、豚足脱毛機などを開発、センマイ洗浄機、ボンジリ脱骨機等相次いで商品化。直近では、豚肉の写真を画像処理後に毛を除くロボット機器等6機種の開発に挑戦中。
これまで開発した数々の商品は、モノづくり日本大賞優秀賞にも輝くなど、世界に誇れるオンリーワン商品に育ち、本県は勿論全国の食肉産業を支える技術として高い評価を得ている。

さらに同社は機械器具設置業の許可も保有しており、社員は実務経験も豊富。多様で難度の高い工事にも的確に対応しており、その技術力には定評がある。直近の受注高もコンスタントに年間5、6億円の完工高をキープ、建設工事業者としても注目を集めている。

同社は、鹿児島と宮崎の県境に位置。2015年7月には本社から約18m離れた都城市梅北町に移動クレーン併設の宮崎工場(約960㎡)が完成。「社員の6割は都城市からの採用とあって、工場完成は地元県内企業として長い間の夢だった。世界を視野に人材を集める際にインパクトがある」と、益留社長。工場完成で大型機の組立が出来るようになり、設計から開発まで一貫した生産ラインが整い、以前にも増して活気がある。同社が掲げる当面の目標は従業員50人以上、主要取引業者数50社、年間の営業利益率10%以上、年商約20億円。実現まであと一歩のところまで来ており「会社の生命線は開発を続けること。立ち止まったら終わり」と、自ら現場の最前線に立ち、世界を駆け回っている。

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