鹿児島建設新聞

きずな工業 常盤実

Profile

早く手に職(技術)をつけて働きたいと、若くして解体工事・斫(はつ)り専門の工事業に進路を決め、横浜、福岡、鹿児島で12年間修業後、平成20年4月に夫婦で会社を設立。お客様との出会い、感謝の気持ちを忘れないようにと、社名は『きずな工業』に。資格は解体工事施工技士など。今でも仕事の合い間を利用して資格取得にチャレンジしている。妻と息子2人の4人家族。姶良市加治木町出身の38歳。好きな言葉は、初志貫徹。会社は同町反土1608−1。

「造るより壊すのが好き」「面白くて自分の性に合っていたから」「何よりその過程が大切で『きれいに壊す』がモットー」—。仕事を始めたきっかけについて熱く語る。

構造物の解体・ハツリ工事を専門として、自らも毎日、社員とともに現場に出る。「やり甲斐のあるいい仕事ですよ」。日焼けした顔に誇りと職人気質が覗く。「仕事は楽しい。毎日いろいろな人、現場との出会いがある」。中学卒業と同時にそのカッコよさに惹かれて、この仕事に就く決意をした。父・弘身さん(73歳)は、ベテランの左官職人。「父はつくる、そして仕上げる仕事。私は役目を終えたモノを解体する仕事。でもその先には、また新しいモノ(土台や構造物)が創り出される。解体は、この大きなサイクルの中で重要な役割」と、仕事に対して人一倍責任を持って取り組んでいる。

会社設立当初は、夫婦一緒になって営業回りをして顧客開拓に回った。断られたその時から営業は始まると言われるが、あいさつ回りに行っても最初は全く相手にしてもらえず、半年ぐらいは実績ゼロの状態が続いた。これまで配った名刺は数知れない。そうこうするうちに人脈ができ仕事ぶりが評価され、実績と信頼を少しずつ積み上げた。

解体工事業について「これから需要はますます増え、社会インフラを進める上での重要性が増すのでは」と将来を展望する。これまで解体工事業は、とび・土工・コンクリート事業に一括りされていたが平成28年6月の建設業法の一部改正によって独立、29番目の業種として追加された。未だに〝きつい、汚い、危険〟の3Kの代表格というイメージが強い中、これをどう変えていくかが業界全体の課題。「現場の工法、作業、周辺環境をクリーンにし、やり甲斐のある楽しく働ける安全な仕事に」と、自社での仕事環境についても常に考えている。

「きれいな解体工事は、結果として現場を早く終わらせる。だからこそ過程が大切。近隣対策を立て、しっかり段取りをして大事な事業に携わっているんだ—と、信念を持ってやれば結果が出る」と、前向きにとらえる。

現場2

「企業としてはまだ歩き始めたばかりで、経営理念についてはまだ思案中だが『きれいになって嬉しい。ありがとう』と、お客様に喜んでもらえることが何より大切。だから仲間、家族、関係会社への感謝の気持ちを忘れないこと。喜びを提供する企業、これを経営理念の一番に据えたい」と、意欲を見せる。

 各種書類の申請など事前準備、打ち合わせ、騒音、ホコリ、振動などをできるだけ抑える対策、分別処分、搬送。そして元請け企業や近隣住民とのコミュニケーション、信頼関係の維持は欠かせない。仕事は良い意味で和気あいあいとした雰囲気の中でうまく進んでいくように心掛けている。だから常にやり甲斐があって楽しく働ける職場づくりを目指している。「きれい・楽しい・安全」の新機軸を解体工事の現場に根付かせ、将来はリサイクル事業への展開も視野に入れる。

更新日:2018年5月

お知らせ

    CPDS・CPD認定講習会

    新聞購読お申し込み メルマガお申し込み

    KISS-WEB会員情報を無料で
    お試しいただけます

    無料体験申込

    デモはこちらから↓

    KISS-WEB会員情報デモ版

    PR情報

    アンケート調査