鹿児島建設新聞

進和總業 前田進

Profile

錦江湾高校—鹿児島国際大学社会学部卒業。一般社員として進和總業に入社、工務・営業などを経験、専務取締役を経て33歳で代表取締役に就任。鹿児島県構造物補修協会会長。趣味はバイク、マリンスポーツ、サッカー観戦など多彩。好きな言葉は「向上心」。妻・和美さんと息子2人の4人家族。会社所在地は鹿児島市宇宿8丁目18−18。同市唐湊出身の48歳。

同社は祖父・清晴さんが昭和49年に創業。清晴さんと父・晴一さんが創業期の苦労を経て安定基盤を築き、三代目の進さんへと引き継がれ、現在に至る。創業当初は第一次オイルショックの真っただ中で、周囲からは反対の声もあったが「これまで培ったノウハウをもとに地道にやれば成功する」と、実績と信頼を積み重ねてきた。バブル期、鹿児島を襲った平成5年の8・6水害などを経て中堅企業に育った。

経営理念は、社名通り「自ら進んで和を持って総合的な業(技)で仕事をする企業」が原点となっている。生前、祖父の清晴さんが「進と一緒に仕事をやりたい」と言っていた言葉を思い出し、祖父が他界した年に三代目としての継承を決意した。会社の全体会議や社員採用時には「社名と会社の経営理念は一体。いつも社名を頭に入れて仕事に励んでほしい」と、その思いを込める。

現場1

業務は多種多様。交通安全施設工事をメーンに構造物補修補強工事、法面保護工事・アンカー工事、下水道管内テレビカメラ調査など多岐にわたる。その内容をきめ細かく分類すると、実に60種にも及ぶ。道路や橋などの構築物にラインを引いたり、標識や防護柵を設置するなど景観を仕上げて形にする。また、古く傷んだ構造物を補修(補強)することで長寿命化を図り、鹿児島の軟弱なシラス(法面)の崩落を防ぐ仕事。そこには景観上の美意識、造形美など感覚的なセンスも問われる。同時に安心・安全な環境意識の醸成も求められる。

「道路や橋など工事が完成した後の飾りつけ、いわば仕上げ。プロとしての技術を生かし、誇りを持って最後を締めくくりたい」と使命感を大切にする。「今年は明治維新150年の節目の年。海外、国内から多くの観光客が訪れる。鹿児島の道路は、いつもきれいだなあ—という印象を持って頂けるようにしたい。景観は第一印象が大事ですから。観光・鹿児島を積極的に売り出す絶好のチャンス到来。地味な仕事に見えるがプロとして、その一翼を担いたい」と、専門職集団であることを自負する。

社員の資格取得にも前向きで、「全員が資格保有者。作業内容が特殊で、常にタイムスケジュールの厳守など工程管理が求められる仕事。正確さに加えて作業効率、スピード感も問われる。だからマルチ対応の人材が必要」と、講習会や受験も積極的に支援している。仕事ぶりがきめ細やかで、しなやかさを併せ持つ女性社員の採用にも意欲的だ。

現場2

業界の課題については「やはり一番は人手不足、少子高齢化にどう対応するか喫緊の課題。現実的に弊社でもすでに問題が起きている。定年を迎えた社員の再雇用などで、当面その隙間を埋める戦略も必要」と、先手で戦略を練る。また、天候に左右されやすく、警備員の手配などの影響を受けやすい業種であることから発注の平準化や、増加傾向にあるくじ引き入札のあり方などについても提言を忘れない。

目指す企業像は「〝進和はよか仕事をすっど〟と褒められ、信頼される会社に」。発注者から認められ、信頼される企業であり続ける。そのためには、常に原点に返っての地道な努力と評価される実績づくりは欠かせない—と自らを律する。酒は一滴も飲めない体質だが「飲ん方の雰囲気は大好き」と、酒席の場を盛り上げるムード派。

社名の由来をよく聞かれるそうで「進んで和する会社」と回答している。「進」という字は、将来への期待を抱かせ発展、飛躍へと導く名前。「祖父と父が結んでくれたのかな」。インフラ整備の一翼を担い、14人の社員を引っ張る三代目は控えめに気合を込める。

更新日:2018年4月

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