鹿児島建設新聞

錦城 岩満俊一郎

Profile

泉ヶ丘高校から鳥取大学工学部土木工学科卒業。東京の商業施設開発会社を経て家業の錦城測量設計に入社。営業、取締役、副社長を経て今年4月から現職。2代目。資格は測量士、農業土木技術管理士、畑地かんがい技士、技術士補などを所有。業界関係では、県測量設計業協会経営者協議会広報部会長、土地改良測量設計技術協会鹿児島県部会幹事などを務める。趣味はゴルフ、音楽鑑賞。目標は、自分に負けない我慢強さを貫く精神力。本社は曽於市末吉町二之方2972−3。都城市出身。39歳。

道路、橋梁、河川砂防、都市計画まで多岐に渡る社会資本整備の調査から計画、測量、設計、施工管理、補修維持まで一連の技術サービスを通じて業界、地域、社会に貢献できる企業へ。「発注者のニーズに対してプロフェッショナルとして的確な提案をして行く」と力強い。人手不足が課題となる中、総合コンサルの魅力を発信し、若者、担い手が育つ環境を育てることが業界、企業としての使命—と言い切る。40年という節目に社長に就任した2代目は、中堅企業としてのあり方を見据え、32人の技術者集団を率いる。

会社の創業は1977年。父・周三郎さん(現会長)が「曽於地区には専門のコンサルタント会社がないから…」と、役所から打診があって末吉駅の近くで立ち上げた。当時は、まだ委託業者が少ない頃で、建設会社の手伝いをしながら登録業者としての資格を取得、事業を軌道に乗せた。「曽於市は都城市の隣接地域だが、知らない土地で苦労した。都城農業高校の前身・都島高校の農業土木科で学んだ知識、技術を生かし、まさに試行錯誤の連続だった」と、周三郎さん。1997年に現在地に新社屋を移転・建設、総合建設コンサルタントとして中堅企業の地位を確立している。

社名は、都城から鹿児島の錦江湾に向けて飛躍・発展する企業を—と、錦江湾の錦と都城の城の二文字が由来。節目の年に2代目社長に就任したのを機に錦城測量設計から錦城に変更。スピード、変化が早い時代に対応、さまざまなことに挑戦できるようにシンプルに短くした。今年6月に開催した記念式典では、喜びと同時に使命感の重さも感じた。

「コンサル会社は資格者数を中心に評価付けされるので、社員の資格取得、技術のレベルアップは不可欠。資格手当、更新費用、受験料など手厚くするなど、常に強化している」と、技術と人間力磨きを実践している。

ミーティング風景

周三郎会長が創業以来言い続けてきた品質方針の理念「技術と信用の下、確かな上質の成果品を提案する」の上に、人間力、社会力、技術力を社是に掲げ、社員全員の結束力、チーム力を加え、技術と人間力の融合でさらに前進と気合を入れる。

風通しのよい企業へ向けて、さまざまな意見を出し合う社員インタビューで「女性でも活躍できる」「有給休暇がとりやすい」など、ざっくばらんに言える雰囲気が出て変化し始めている。「ミスがあってもお互いが補完しあえる体制が整ってきた」と、変化に期待を寄せる。

仕事の効率化、会社の飛躍へ向けてICT(i−construction)導入にも意欲的。ドローン2機を購入、専門のグループを立ち上げ、処理ソフトも導入してさまざまな試験を開始。独自のマニュアルを作成、解析だけでなく何ができるかを追求し、3次元データ利活用促進、360度の鳥の目目線で、攻めの戦略にチャレンジしている。

本社機能を鹿児島市に移転する企業が多い中、地方のメリットを生かす戦略で臨みたい—と、逆転の発想を大切にする。支店網も構築済みで「フットワークは大隅で一番」と、地方のメリットを最大限生かし、迅速に細やかな対応を武器にする。

「以前、社員の年齢を調べたら私が一番若かった」と、苦笑い。定年退職者が多い現状を視野に入れながら、新入社員の育成・採用にも力を入れる。「技術も資格も大切。それ以上に問われるのは人。だから人間力としてのあいさつ、助け合う心、道徳心など、基本をしっかりしましょう」と訴え、社員とともに実践する毎日だ。

更新日:2017年9月

お知らせ

    CPDS・CPD認定講習会

    新聞購読お申し込み メルマガお申し込み

    KISS-WEB会員情報を無料で
    お試しいただけます

    無料体験申込

    デモはこちらから↓

    KISS-WEB会員情報デモ版

    PR情報

    アンケート調査