鹿児島建設新聞

ランディ 稲森和子

Profile

〔稲森和子社長〕

有明高校家政科を卒業後、大阪ガスに12年間勤務、その後一郎さんと知り合い結婚。趣味はソフトバレーボール。好きな言葉は感謝。細やかな女性らしさを生かして社員の悩み事相談などにも応じる。神戸市出身の46歳。5人家族。会社の所在地は鹿屋市札元2丁目3734−4。

〔稲森大地専務〕

北九州市立大学経済学部卒業後、アパレル関係の専門学校を経て、一年半宮崎県内のアパレル関係の会社に勤務。二級土木施工管理技士の資格を取得。現在、一級取得を目指して勉強中。趣味はサッカー、絵とデザイン画。曽於市出身の27歳。

「頼まれた仕事は断らない。必ず工期内に仕上げる—が、わが社の使命」と和子社長は、徹底した現場主義を掲げ、安全と社員の融和に力を入れる。中堅・ベテランの重機オペレーター10人を揃え、現場の活気がそのまま会社の勢いに反映されている。人手不足が叫ばれる中、強い結束力と仕事力を売り物に社員を引っ張る。重機の保有台数は、ブルドーザーD6T/1台、同D5K/1台、ユンボのキャタピラ製3台、日立製2台の計7台。

同社は平成17年8月、ご主人の一郎さん(58歳)が国分市で個人創業した。土木事業を営んでいた父親・勇見さん(平成25年に79歳で他界)の背中を見て育った一郎さんは、「親父も土木業でメシを食ってきた。自分も生業としてこの道に進む」と、奮起。「基礎をつくるインフラ整備には欠かせない仕事。幅広い人脈を生かしてなんとかしたい」と、模索する中での創業だった。

重機模型

しかし、いざ始めてみると、資金繰りなど大変で、最初は重機のレンタル代などを元請けに融通してもらうなど生みの苦しみを経験。「最初は重機のレンタルも出来ず、ガソリン代も1リットルから現金取引。金融機関からの融資も簡単には行かず、信用を得るためにはただ実績を積み上げるしかなく、本当に大変でした」と、和子社長は当時を振り返る。

この時の苦労をバネに窮地に立たされる度に「信頼構築」を合言葉に活路を見出してきた。創業から約一年半後には本社を鹿屋市に移転、営業を強化して規模を拡大、売り上げを着実に伸ばしてきた。

轟音を上げて大地を切り拓く重機を使っての土工工事、地盤改良工事などがメーンで100%下請け。「危険を伴う仕事だが男らしいやり甲斐のある仕事。充実感を求めてこそ未来につながる」と、子息で長男の大地専務、今年10月に家業を手伝うため帰郷した次男の大海さん(25歳)兄弟で両親を支え、会社運営を切り盛りする。

会社の歴史はまだ若いが〝信頼〟の二文字を大切にご主人と2人でゼロから立ち上げた会社だけに愛着も人一倍強い。「社員の仕事に対する意識付けが最も重要。だからお客様やスタッフの信頼の絆を大切に日々感謝して仕事に取り組みたい」と、和子社長は前を見据える。取締役の一郎さんが現場の社長で、和子さんは事務所の社長という位置付け。

安全第一を掲げ、正確で早い仕事、工期厳守。現場の土質や地形など工期面では厳しい現場もあるが、そこは腕に自信のあるオペレーターたちの技術力を信じて最後までやり遂げる。現場力を上げて質の向上を図る。

「困難な工事もタイムスケジュールに合わせ工程通りに期限内に仕上げてこそオペレーターの本領発揮」と、大地専務。切土、盛土の量の把握から法面施工、地盤の転圧など高い技術が求められる仕事。

安全の基本は、グリス油の確認、キャタピラのリンク張りなどの始業前点検の徹底。仕事では絶対妥協を許さなかったという祖父・勇見さん時代から受け継がれてきた同社の伝統がここに生きている。

社名のランディは、日立製作所の油圧ショベルカーにちなむ。コーポレートカラーもこの濃いオレンジ色に統一、ヘルメット、作業着のズボンに採用している。

社長と専務

創業して11年目の若い企業。「人間関係重視で人脈を拡大、信頼の上に実績を築く」という創業時からのモットーは不変だ。一郎さんは、重機を自分の手足のように扱うオペレーターを〝大地の彫刻家〟と呼び、誇りを持って仕事に取り組む。全員でこの意識を共有、一致結束して前進する。

和子社長を補佐する大地専務は「危険とは隣り合わせの仕事だけに一瞬の気の緩みが事故につながる。緊張感を持って仕事をし、兄弟で両親を支え、現在3億円の売上高を5年後には5億円の大台に乗せたい」と、力強い。

更新日:2016年12月

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