鹿児島建設新聞

わき 脇清昭

Profile

鹿児島商業高校商業科卒業後、自動車販売の営業を3年経験して昭和46年に現在の㈱わきに入社。工事・営業・総務など業務全般、専務取締役を経て平成18年9月から代表取締役社長に就任。長男の紀朝さんは工事部長。家族は夫人と2人暮らし。趣味はゴルフ。好きな言葉は「和」。会社所在地は鹿児島市錦江町2−27。同市(旧郡山町川田)出身の66歳。

完成した土木・建築コンクリート構造物にアンカーを穿孔(せんこう)して取り付ける特殊な専門技術を必要とする、あと施工。固着機能のよしあしが安全性を決めるだけに常に高い技術力を求められる。その事業で一定のシェアを確保、建設関連業者に専門工具などを販売する。「県内外ゼネコンの下請けが9割。今後もおつきあいのあるお客様の声(ニーズ)を大切にして安定経営に励みたい」と謙虚に語る。

アンカー設置工事現場 兄で創業者の康秀さんは、元々銀行マン。退社してメーカー代理店に勤務、鹿児島に帰郷後、同代理店の事業を引き継ぐ形で株式会社「ドライブイット脇」を創業。平成18年9月に「(株)わき」に社名変更した。その成長のポイントは、すき間産業/挑戦する企業/技術とノウハウ/継続するあきらめない心/みんなが幸せになる会社—という創業時のモットーにある。そこには「優れた技術と工法、システム商品化を図り、全員の力で地域・業界発展に貢献する」という熱い理念を引き継ぐ清昭社長の思いが存在する。創業当初は3、4人だったが地道に実績を積み上げ、現在は関連事業部を含め40人の大所帯に成長した。

社訓は「誠」と「熱」。自分と闘い他人を理解する人間、自ら考え行動する人間になろう—とある。聞くだけで誠実さと元気が伝わってくる。

各地で頻発する震災以降、重要性が問われる業種。企業も数人規模から100人を超える大型法人まで多様化の傾向を見せており、改善・マニュアルなどを統一化して国際規約による対応を迫られるなど市場は厳しさを増している。

アンカーは、コンクリートに埋め込み使用するボルトのこと。引っ張り、せん断に抵抗する機能を求められ、商品は少量多品種。金属拡張型アンカー、樹脂系の接着系アンカーに分かれており、商品販売・修理も電動、油圧、輸入、空調、各種工具と幅広い。対象工事もサッシ、防舷材、雨樋、看板、カーテンウォール、石張り用金具、外装用金具、ALC板用金具、案内板、棚取付け、墜落防止用金具など実に多種多彩。構造物はビル、港湾、住宅など広い分野に及ぶ。このため業界では、アンカー施工技能士の資格取得に力を入れており、二種、特二種、一種ときめ細かに分けて、より専門的に個の技を磨く。

平成18年9月に二代目として就任した清昭社長は「業界のニーズを見極め、より安全で良質な工事をする施工能力が問われる。その技術力こそが安定経営成長のカギ」と、「日々、技術と工法のシステム提案力を磨く」ことを経営の重点事項に掲げる。現在、工事部隊は6人。「北薩地区震災以降、耐震への意識が高まり、需要はまずまずの動き。学校、病院などの現場では、無振動・無騒音で工事ができる〝居ながら工法〟が普及しつつある」と、より精度と作業効率を高める工夫を模索する。

専門的な特殊工事でシェアが極端に増える業種でもないだけに「より安全で良質で確実な施工が求められる。全員が資格を取得、平均年齢40歳のベテランに育っており、着実に技術を継承することが未来への展望を拓くことにつながる」と、地道な積み重ねを優先する。

商品販売は専門工具などが多く、きめこまかな説明・提案力が求められる中で、女性スタッフを含め全員で対応している。

このほか平成7年に福利厚生施設として霧島市牧園町に開業した宿泊研修施設・霧の里本館、きんかん酢、ブルーベリー酢、ドライフルーツなどの加工品を販売するデパート事業部を加えた3本柱の経営で実績を上げている。

霧の里本館

更新日:2016年2月

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