鹿児島建設新聞

環境開発 有村信一

Profile

玉竜高校から東京国際大学に進み、卒業後帰郷。造園の手伝いを経て、会社を設立。設立と同時に社長に就任。中堅ホームセンター・リビングプラザ滝の神の経営基盤を築く。今年11月には造園技能士の後継者指導功績で優秀技能者県知事表彰を受けた。一級造園施工管理技士、一級造園技能士、二級建築士、グリーンアドバイザーなどの資格を持つ。子供4人の6人家族で、現在は夫人と2人暮らし。趣味は、読書、パソコン。好きな言葉は原因自分論。社員数30人。本社所在地は吉野町1170。

花を通じて人の笑顔があふれる社会にしたい—との経営理念が息づく。若い頃、活躍の場を広げようと英語を勉強、英検2級の資格も持っている国際派。信一という自分の名前通り「商売には〝信用一番〟」が口癖。暮らしに彩りと快適を添える暮らしのパートナー企業であり続けたいとの想いで地域社会に貢献したいと意欲を見せる。家業は継ぎたくないとの思いが強かったが父親に促され、園芸店を経営、その延長線上でガーデニング・リフォーム総合の環境開発という会社を見事花開かせた。

会社のルーツは、父の忠雄さんが興した、鹿児島市内では当時造園業界No.1の存在だった有村偕翠園(後に有村総合建設㈱に社名変更)。小さい頃、花の水掛けをするように言われ、やるのを忘れ、折檻(せっかん)されたことがある。「昔はどこの家庭でも父親というのは厳しかった。当時は普通でしたよね」。想い出を振り返り、父の姿を偲ぶ。

大学卒業後に帰郷。「これからは造園だけでは食っていけない。お前が社長だ」と、いきなり新しい会社経営を任された。右も左も分からないまま、会社の近くにあった造園訓練校に一年通い技能と知識を身につけた。「ゼロからのスタート。現場代理などの経験、仕事の厳しさを学んだ。現場代理と言えば格好いいけど、土方ですよ。実際に現場を知らないと部下の気持ちになって叱れない。この時の経験が今に生きる」と振り返る。

その忠雄さんも平成3年、65歳で他界。「あまりしゃべらない父でしたが、背中を見て育ちました。今の自分があるのも父のお陰。感謝しています」と、父親の薫陶を受けて成長した自分を振り返り、経営基盤の強化に取り組む。昭和50年に創業した環境開発も、今年41年目を迎えた。花売りや関連資材の販売会社「滝の神観光植物園」を始めた当時は、ホームセンターがまだハシリの頃。その後、大手のホームセンターが相次いで参入、チラシ作戦が活発になり、安売りで利益が出ない、高くすれば顧客が離れると言った価格競争に巻込まれるなど苦労した。「失敗の連続でした」と、有村社長。

この間、船井総研やドラッカーの経営学論を勉強する傍ら、リビングプラザ滝の神の事業を柱に据えてガーデニング、リフォーム事業に取り込み、経営基盤を築いた。ドラッカーの解説書をCDに落とし込み、車の運転をしながら経営とは何かを勉強、「頭では理解していてもなかなか難しい。経営は奥が深い」と、模索しながらも学ぶ日々。こうした経験を経て掴んだのは「技術・実績・信頼」。

環境開発(株)

仕事の原点は、お客様の心を癒やすこと。経営理念は「花のある、より快適な生活スタイルを発信・提供することにより地域社会に貢献する」。事業の柱を支えるのは、増改築・エクステリア・塗装工事を行う民間工事部門と主に官公庁の造園・土木を請け負う公共工事部門からなる。県建設工事造園の部では連続してNo.1を継続している。業種も造園、外柵、カーポート、ガーデンリフォーム、サンルーム、塗装、防水外壁、屋根、オール電化と幅広い。

常に心掛けていることは、顧客満足の高い優良会社、安心の高品質・アフター・メンテナンス。「住まい手と作り手を口コミでつなぐ」ことを身上にハートフルサービスでは、即日スピード対応、スピード見積もり、徹底打ち合わせ、工事中現場案内、ローン手続き代行、着工前の近隣あいさつ、仮住まいサービス、確実なアフター・メンテナンスを掲げる。

ガーデニング

信頼を得るため正直な商売を一番のモットーとしている。その商売の評価を支える資格取得も強化、増改築相談員、建築士、造園技能士、同施工管理技士、農薬指導士、街路樹剪定士、ガーデンルームコンシェルジュ、ウォーターガーデンマイスター、エクステリアプランナーなど実に多彩。

今後の業界動向については「変化の激しい時代。リフォーム、リノベーションなどを強化、仕掛けをして口コミで開拓。今はセールスエンジニアリングの時代」と分析、「3年後のリフォーム店舗の出店、社員の若返りと人材育成が課題」と先を見据える。

更新日:2016年1月

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