鹿児島建設新聞

南九州金属工業 吉村晃誠

Profile

甲陵高校から大阪学院大学外国語学部英語学科を卒業後、全日空ワールドに就職。家業の会社を継ぐため平成6年に帰郷。営業部長、副社長を経て平成15年から現職。家族は夫人と娘2人の4人暮らし。趣味は釣りとゴルフ。いちき串木野市出身の50歳。本社は鹿児島市小野2丁目10−1。

気候風土にマッチした材料にプロの職人技を注ぎ込み、多彩な金属屋根・外壁を仕上げる仕事。完成した屋根や壁は、しなやかさの中に立体感や曲線美を描き丈夫で綺麗。青空に映えるウエーブ・アーチラインは壮観。旅行業というソフトな仕事から構築物製造の堅い仕事へ転身して21年目。一つとして同じものがない個性的で多種多様な屋根・壁の板金工事に「責任施工」を掲げ、プロの熟練技を刻む。

いちき串木野市総合体育館

南九州金属工業は、父の優紀廣氏が昭和39年、串木野市で「吉村板金店」として創業した。その後鹿児島市内に進出し、同市小山田町に工場を置き、平成4年に日置市東市来町に現在の加工センターを開設。本社機能は鹿児島市小野2丁目とした。

晃誠社長は三代目。大学卒業後、全日空ワールドに入社した翌年に創業者の父・優紀廣さんが 49歳の若さで他界したのが転機となった。家業を継ぐつもりはなかったが覚悟を決め、平成6年に帰郷。

建築板金業界は、全国展開の大手3社とブロック展開する中堅・中小企業で構成され、東北を中心に発展してきた経緯がある。同社は鹿児島、宮崎、沖縄本島を除く南西諸島をエリアに九州 No.1の座を築いている。

吉村 晃誠 氏

事業を継承するに当たって「本業に徹し、市場の変化に対応、筋肉体質の経営に全力を上げる。物真似ではなく、常に自分を意識し、確固たる信念の基でやり抜く」と言い聞かせ、両親が築いた基盤の上に業績を積み上げる経営を実践。「最初、融資書類や手形に印鑑を押す手が震えたのを今でも覚えている。緊張のスタートだったが、思えば他人の飯を食ったサラリーマン生活が今に生きる」と、責任を噛み締め、自信も見せる。

会社の財務状況、経営を掌握、業界動向も的確に掴めるようになった。現在は、企業のトップとして営業の最前線を駆け回り、関連会社の専属施工班・南九会(12班で構成)を中心に責任施工の重要性を訴える。

市場については「公共工事は減少傾向にあるが、需要(量)は確保できている。シェアも伸びており、若干盛り返し気味」と予測。

課題は人材確保。「職人の高齢化が進み、若手の育成が難しくなっている。ハサミ5年で半人前の世界。育ててもモノになるのは5人のうち2人」と分析。この業界も一人親方の企業に支えられており、指導と後継の時期を課題として挙げる。「昭和の根性論も大事だが、厳しいだけではダメ。職方も気持ちが通じれば育つ。後継ぎの問題はスイッチするタイミングが重要」と語る。

東市来の加工センターには、角ハゼ500成型機、動力切断機など多種多様の屋根・壁板加工に対応する最新の設備機器23台を導入。主要取引メーカー・商社は12社。社員数15人。

県内の大型・主要建造物は、大半が同社の施工で、これまで培ってきた熟練工の技術が際立つ。

更新日:2015年10月

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