鹿児島建設新聞

前田産業 前田清水

Profile

都城西高校を卒業後、航空自衛隊に入隊、事務職を9年間経験した後、Uターン。家業の前田産業に入社、2006年から専務取締役。Uターン後、母親の仕事(事務全般)を手伝いながら現場の業務内容を把握、現在の事業を確立。霧島市隼人町の自宅に妻と子ども1人の3人暮らし。37歳。曽於市財部町出身。

時代のニーズ、変化に合わせて炭鉱の坑木販売から産廃収集・処理—運搬業—チップの製造販売へと3本柱に事業をシフトしてきた同社。約5年前のFIT(電力会社による固定価格買取制度)スタートに伴い、将来を見据えてバイオマス燃料のチップ製造・販売に期待が膨らむ。

「山で仕事をする人がいなくなった」「担い手育成がカギ」「折角就いても離職率が高い」と、林業の担い手確保を業界の危機脱出のキーワードに掲げる。

親子三代に渡って育て、引き継いできた事業。「これからは、常に先を見通す戦略が求められる。いかに情報を早く集め、変化に対応していけるか、課題は多い」と、真剣に仕事と向き合う日々。

現在、王子製紙日南工場をメインに鹿児島大学、道の駅などにチップを供給している。製紙用が3分の1、バイオマス発電用が3分の2を占める。チップ製造・販売を柱に産廃の収集・処理、関連の運搬を主な業務としている。各事業の構成比は各30%程度。

生産拠点として本社所在地の霧島市と伊佐市にグリーンリサイクルセンター(チップ専用工場、産廃処理)を構える。ドイツ、アメリカ製の特殊車両や破砕機など最新設備機器も導入。

最新設備機器

チップ製造・販売は、FITの導入に伴い取り組み方によっては魅力ある先端的なビジネスモデルとしての一翼を担っているものの新規参入が多く、競争は激しさを増す様相を見せている。素材生産という林業をベースに祖父(創業者の故清幸さん)と父(清忠社長)が二代に渡って築いてきた基盤の上に新ビジネスモデルを加え、未来志向で事業を構築しようとしている。「特殊車両や加工設備など多額の投資(設備)を必要とする装置産業の色合いも濃い。正確な方向性、需要動向を読み解く力がなければ、安定需要は見込めない。勿論リスクも背負っている。それだけに自分に課せられた責務は大きい」と、大局的な立場で林業の将来を見据える。

全国的に注目を集めるバイオマス発電は魅力だが、安定供給、路網整備、担い手確保など課題も多く、中・長期的にとらえれば、リスクは大きい。チップを供給する製造・販売業者として堅実な経営手腕、戦略が求められる。

「変化する市場と向き合い、会社の事業を安定軌道に乗せることが自分の役割」と言い切る。

更新日:2015年8月

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