鹿児島建設新聞

ミタデン 廣瀬 和泉 氏

Profile

 貿易会社等に勤務した後2000(平成12)年に入社、電気・空調工事等の建築設備を主軸に、幾多のメガソーラー建設事業にも関与。社長就任から丸1年の2代目は、経営の持続性を高めるとしてGX(再生可能エネルギーの普及・拡大をベースとした社会経済の変革)を取り込み、「ネットゼロ」への貢献を目指す。週末は子どもとの野球や、「つくおき用」おかず作りに余念がない。

 年明けとともに、代表就任から丸1年。「振り返ると見える世界が大きく変化した」。果たすべき社会的責任の大きさに、身の引き締まる思いが湧き立つ。「近未来から中長期的事業ビジョンを具体的行動に移し、精錬恪勤、まい進していく」と誓いを立てる。
 前社長で父親の三田治雄氏が1967(昭和42)年に創業。建築設備を主軸に、電気・空調工事の分野で品質と安心を追求してきた。受けた薫陶について「自分のことより大切な人のため。会社の利益よりお客様の利益」。確固とした理念に基づく生き方を、長年間近で見てきた。
 大学を卒業後、得意な英語を生かそうとODA関係の貿易会社に就職。約3年間、営業スキルを磨く。その後、ソフトウェア会社でプログラマーを経験するも、「営業」の魅力に引き戻され、同時に自らの力を試すつもりで恩返しを決意。東京を引払い、2000年・27歳で入社した。

【メガソーラーの写真】

 入社当時会社は既に太陽光発電を手掛け、福岡営業所(現在鹿児島本社に統合)に次ぎ東京営業所なども開設(現在東京本店)。さらに、FIT(固定価格買取制度)がスタートした12年、再生エネルギー運営会社「ミタルダ」が設立され、ソーラー事業が本格稼動する。
 6年後の18(平成30)年には、創業50周年。20(令和2)年には、鹿児島市与次郎1丁目の現在地に九州本社ビルが完成し、同市日之出町から移転した。22(同4)年末までに引継ぎを終え翌年1月、2代目社長に就任。同時に三田前社長は会長に就く。この間、多くのメガソーラー等の建設を推進してきた。
 「現在、国の再エネ普及率22%の電力発電に寄与しており、50年のネットゼロに貢献したい」と意欲を示す。脱炭素経営や企業の社会的責任を果たす活動が叫ばれる現状に「GXは経営の持続性を高める手段として欠かせない」と強調する。

【社 屋】

 学生時代、中学ではバスケットボール部で活躍。大学で「オールラウンドサークル」に所属し、日替わり・週替わりで多種多様なスポーツや文化に触れるなど、多彩な活動にチャレンジ。いま、休日は「息子の勉強を見てあげたり、一緒に野球をしたり」と体験を生かす。
 また、クラッシック音楽の鑑賞や飲み友達との交流は、視野を広げる情報交換に欠かせないひと時だ。一方、平日は昼夜仕事に時間を費やすため、週末は「つくおき用」のレシピ片手に、一週間の家族の食事や弁当のおかず作りに余念がない。
 日々、意識するのは、タイムパフォーマンス。「よりお客様に合わせた思想を原則に、社会的責任を果たすべき立場にあるということ」。そして、「従業員とその家族を幸せにするため全力を尽くすこと。与えられた1日24時間はそのための活動だから」という。

【オペレーティングルーム】

 春、新年度から建設業の「働き方改革」が起動する。「人材」を「資本」と捉え、企業価値を持続的に向上させる「人的資本経営」の取り組みが進む。「時間で働くのではなく成果で働く」と、自らの成長を常に実感する重要性を指摘。伸び伸びと能動的に活躍できる人材教育に力を入れる。
 特に98年から展開するeコマース(EC)ではその威力を発揮。前年までに構築された設備工事の請負システムをベースに、約40人の営業オペレーターが全国の法人等事業主のニーズにこたえ、業務用エアコンをはじめとする空調設備の設計提案から契約、施工アフターサービスまでを一手に引き受けている。
 社員一人ひとりのポテンシャルを重視した人材登用は「働くことと成長を一体化させる」と力説する。「社員を信頼し多様性や個性を受け入れ、変化に適応できる人材を増やしていくこと」。果たすべき使命を明確にし、「会社の存在価値を高めていきたい」。

更新日:2024年01月

お知らせ

    CPDS・CPD認定講習会

    新聞購読お申し込み メルマガお申し込み

    KISS-WEB会員情報を無料で
    お試しいただけます

    無料体験申込

    デモはこちらから↓

    KISS-WEB会員情報デモ版

    PR情報

    アンケート調査