親和興業
代表取締役社長
赤尾 かおり 氏
AKAO KAORI
赤尾 かおり 氏
PROFILE
 甲南高校から鹿児島大学医学部付属看護学校を卒業後、大学病院小児科で看護師、鹿児島市の保健所、社会福祉協議会に勤務。福祉住環境コーディネーター、ケアマネージャー、保健師、介護保険認定調査員などの資格を取得。平成8年に修二さんと結婚したが、その後先代の義父と、修二さんが相次いで死去。夫亡き後、親和興業の社長に就任、リフォーム部門を立ち上げ、自宅開放型のショールーム「夢姫」を開設。会社は、水道、福祉、リフォーム事業の3本柱で構成。今年、創業50周年の記念式典を開催した。好きな言葉は敬天愛人。趣味はガーデニング。会社は鹿児島市冷水町22−5。同市出身の49歳。
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看護師から導かれた天職

女性目線でリフォーム部門立ち上げ
夫の遺志受け継ぎ日本一親切な会社へ
自宅開放型の夢姫も開設 ラジオパーソナリティとしても輝く

 生きることは働くこと。だから常に魂を磨いて、後悔しない人生を―そんな熱い思いで、義父と夫を亡くしたあと、家業の水道工事経営を引き継いだ。過去の経歴を生かして女性目線のリフォーム部門を立ち上げ、自宅を改装して開放型のショールームを開設するなど精力的に動き回る姿にはつい「がんばれ!」とエールを送りたくなる。高齢化社会を迎え、不便を便利にしてあげたい、と生活支援者、女性目線で仕事に向き合う。しなやかな中に一本芯が通った経営者は常に創造性豊かだ。

 同社は、義父の光則さんが昭和41年2月に創業。信頼と技術で水漏れから浄化槽工事、水道に関するさまざまな工事までを行う水道工事業者。市場が厳しさを増す中にあって会社の経営基盤を安定軌道に乗せ、二男の修二さんに事業を継承した。しかし、創業者の光則さんは03年に病で倒れ、後を継いだ夫の修二さんも、その翌年に急死するという不遇に見舞われた。
 修二さんは生前、かおりさんに商工会議所主催のセミナー受講や、資格取得をすすめるなど意欲的だった。病に倒れる一週間前、「おれがいなくなったらお前が社長として頑張ってくれ」と言い残し、この世を去った。38歳だった。4年間は茫然自失。仕事にも手がつかない状態だったが、「やるしかない」と、自分を奮い立たせた。いろいろ模索する中で、人間学を学ぶ月刊誌「致知」(ちち)との出会いが大きかった。ここで、講演会やパーティーを通じ多くの人と知り合い、心を揺さぶられた。
 「人生は、死ぬときに一生を振り返って後悔しない生き方を貫くこと。だから常に魂を磨く」と学び続け、周囲の人を幸せにする生き方を、と心に決めて再出発した。

自宅開放型の夢姫 水道工事業は、特種技術とメンテナンスを求められ、社会インフラの柱になる事業だが、公共工事の激減で市場は厳しさを増す一方。「自分の代で、これまで守り育ててきた会社を潰すわけにはいかない」と、先代が目指していた経営理念をベースに「親切/人に親切に接する/深切(すべてのことに深く切実に/辛切(自分には辛く厳しく)」をキーワードとする「日本一親切な会社」を掲げている。
 理念を生かすため水道工事を柱に、リフォーム、福祉用具のレンタル・販売を新たな事業の柱に据え、女性目線で自分の経験を生かせるように事業の再編も図った。平成20年には、義父が建てた家の和室を改装、桧張りの天井、床板、漆喰壁などはそのまま活かし、オール電化、省エネ給湯器を導入、キッチンを新しくした。テーマは「健康・自然・エコ」。住宅機器メーカーの勉強会、研修会にも意欲的に参加、自分磨きに徹したこともあってショールームには女性らしい細やかな感性が隅々まで息づく。
 「お客様と一緒に輝きたい」との思いを込め料理教室、撮影会、演奏会など各種イベントに利用できるよう自宅開放型のショールーム「夢姫」をオープンした。ここでも「仕事は楽しくないといいものは与えられない」という、かおり社長の理念が生きる。
 1日平均15〜20人、1ヵ月延べ300〜350人が利用する。高齢化社会を迎え、医療、介護、福祉の視点に立ったプランづくりが重視されるリフォーム。看護師から導かれた天職≠活かせる場として、今はエンジンフル回転の毎日だ。従業員7人の小世帯だが、かおり社長が加わったことで、新規事業としてのリフォーム事業も軌道に乗りつつある。「女性目線だから気づく、今の時代に合った高齢者にやさしいプランを水道事業者、建築士、リフォーム、介護、福祉の視点から提案させていただきたい」と、ヒートショック対応型のバスルームやトイレ、段差のないバリアフリーの床、使いやすい快適なキッチン、洗面所などを積極的に提案している。

ラジオ風景 一方、仕事以外では、平成13年からFMぎんがの情報番組「かおりのキラッとダイヤモンド」(毎週木曜午後4時)のラジオパーソナリティも務め、自分の言葉で日常生活に役立つ情報を発信している。小さい頃からあこがれていた職業で「夢が開花した。楽しい」と、ここでも目いっぱい輝いている。