ISO運用の重要ポイントはこれだ!
私は数年前から顧問先や研修会で「ISOを取得したからといってそれで倒産しない、大丈夫なんてことになるわけはない!」といってきました。なぜならご存知の通り現段階のISO9001はあくまで「現場の品質管理」に関するものであり、それに対する「コスト管理」については全くふれておりません。ですから、かなりのISO導入企業で導入前よりコストが増えて企業の体質を弱くしてしまう結果も出てきております。
特に建設業においては、ただでさえ、利益は毎年減少傾向にあり、しかも経営事項審査では財務のウエートが大きくなってきたのにISO導入がその逆の貢献をしてしまい企業経営の足を引っ張る皮肉な結果にもなりかねません。
そこで私は連載の最後に「ISOを導入する際には必ずその中に《財務管理》の仕組みを組み込んでください」とお願いしたいのです。そうしなければ例えどんなに現場が良いものを作っても、本社の金庫がザルになっていては、現場の苦労は報われないこととなります。現場と本社とが同じ高いレベルで一緒に動き始めてこそ会社全体が良くなっていくのです。
財務マネジメントシステムを実施する上での留意点は次の通りです。
- ①経営事項審査の経営状況(Y)の目標値を財務管理の日標としてきちんと設定する
- ②財務処理の手順をマニュアル化し個人差をなくす
- ③財務管理に必要なハード及びソフトを整備すると共に担当者の教育・訓練により業務の質のレベルアップを図る
- ④工事の実行予算や部門別の収支予算を作成した時や実行中途の一定時には、その工事や部門から独立した者または社長のチェックを受けるものとし予算管理が甘くならないようにする
- ⑤内部監査を有効あるものとするため内部監査担当者の教育・訓練によるレベルアップを図る
- ⑥現場より出てくるデータと財務管理部門より出てくるデータとの整合性を確認する(工事ごとの粗利益関係など)
ある現場員の声「ISOは…記録に追われる。ISO関係書類と他の同様の書類を重複して作っている。サーベイランス直前になると記録作成のため数日徹夜だ。記録もれにも気づかない。そもそもISO運用が施行や経営の改善につながっていないような気がする」。こういった声を多く聞き、また当事務所でISOを実際に運用するうちに、ISO関係書類とそれに類する書類さらに原価管理の三つが1回の処理で同時に出来あがる仕組みをITの活用で作れるのではないかと常々思っておりましたら…ようやく今春そういったシステム(ISO対応原価管理システム)をあるソフト会社が開発・販売することとなりました。
これからISOを取得しようと考えている会社はもちろん2000年版への書き換えや自社に合わないシステムの改正を検討している会社はぜひ検討してみる価値はあると思っております。
今後のISO運用のポイントは「財務組込みと電子化と作業同時化」であると思います。
(終わり)

