続 コストダウンの山田君
14/14

その声に、他のテ■ブルのお客がみな、怯えたようにこ■ちを見た。 慌てて山田は、「みんな、大声は出すな。迷惑だろう」とみなを制し、他のテ■ブルに向か■て 「すみません」と頭を下げた。 しかし、支配人の言うことより作業員たちの抗議のほうが理にかな■ていると思■た山田は、支配人に 言■た。「お店の事情はよく分かりました。しかし、われわれはみな腹を空かせています。ごはんの量は 二人前ということでお願いできませんか。あ■、私は一人前で良いですが」 それで一件落着の話なのだが、支配人やウエ■トレス、他のお客の 目には、細い山田の姿は、猛獣使いのように見えたことと思う。 たしかに、世間からみたら現場の作業員は猛獣にしか見えないのであろう。 とすると、「現場はサ■カスか」と山田は一人で笑■てしま■たのである。

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る