山田君のコストダウン挑戦日記

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大 下：オヤジの気持ちを汲んでやってください。オレからもお願い します。 山 田：しかし、労災隠しは犯罪だぞ。発覚したときエライことになる。 オレだけの責任では済まないぞ。会社が罪に問われることになる。 大 下：そいつは分かりますが、山田さんの会社から切られたら、ウチらは終わりです。絶対、 この現場での怪我とは言いませんし、分からないようにします。どうか、どうか、お願いします。 山田の思いは乱れた。たしかに事故が起きた場所は現場の奥の一角だ。石井の部下と自分以外、 このことは知られていない。この先の工事進行に支障を来たしたくもない。何もなかったことにして、 このまま工事を続行したい。このような打算が頭に渦巻く。その一方で、発覚した場合の会社が被る 損害のことも黒雲のように胸に去来する。