鹿児島建設新聞

 潮流 働き方改革 労働行政に転換点

求められる永続的改革

4月、建設業にとって労働行政は「働き方改革」の掛け声の下、大きな転換点を迎える。罰則付き時間外労働の上限規制は、単に労務管理だけでなくリクルート活動や資材調達にも影響を与えるからだ。経営の持続可能性の維持には、その永続的改革が求められている。

働き方改革関連法案は2018年6月に国会で可決され、時間外労働の上限規制は翌年4月から順次施行が進んだ。中小企業の1年間猶予に続き、建設業は5年間の猶予期間を経て、24年4月1日からの適用となる。

既に資材調達の面では、見積書に「運送費」の明記も進む。新年度を前に、年間休日数を増やす動きも広がる。「有給休暇の計画的付与」は、使用者側の工夫として積極的に休暇を確保、年間の時間外労働時間超過を未然に防ぐだけでなく、採用活動にも有効だ。

一方、休日数を増すことで時間外労働の増加を懸念する声は残る。通常の2割5分増し賃金の支払い義務が生じるためだ。ただ、「〝働き方改革〟は諸施策の制定等とアナウンスで残業そのものの抑制が進んだ」と、指宿市の後迫芳周氏(後迫組)は歓迎する。

有給休暇の取得状況と年間休日数の設定に苦慮する事業所もあるとみられ、読者の調査依頼を受けアンケートを実施(回答は県認定のモデル事業所13社)。事業規模等に応じた独自の取り組みが伺える。

残業抑制策に若手人材確保につながる建設ディレクターを導入した業務分担や、ICT活用等の工夫もある。霧島市の上原唯氏(上原環境)は「施策の実施で現場のベテラン勢との認識や感覚のズレは否めない」としながら「目に見える形(県の認定)があると意識の変化は期待できる」という。

女性の社会進出や定年延長だけでは社会を維持できないのが現状。建設業がさらに活力を取り戻し、魅力ある産業として人材を確保するには、より一層、業務の効率化やシステム化等の見直しが必要になっており、永続的改革が求められる。

>>更に詳しい内容は会員ページの新聞検索にて!2024年3月29日掲載



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