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ドローンのパイロット育成へ

ニーズ開拓で認定スクール開設に意欲

(株)エアリアルワークス 代表取締役

肥後 誠 氏

HIGO MAKOTO

PROFILE

 指宿商業高校、鹿児島測量専門学校を経て測量会社に勤務。退社後、昨年10月に仲間と現在の会社を立ち上げる。測量士、地理空間情報専門技術認定、JUIDA(日本UAS産業振興協議会)操縦技能資格、同安全運航管理者、DJIスペシャリストなどの資格を保有。UAV(無人航空機)を用いた3D測量、映像企画・制作、産業ドローン開発・販売が営業の柱。社員は5人。妻と長男の3人家族。趣味はルアーフィッシング。小学校2年の時からラジコン少年。ひとたびラジコンを手にすれば、操縦席に座った感覚がイメージできるという。指宿市出身の43歳。会社は鹿児島市真砂町35−6。

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肥後 誠 氏

ドローン操作 南北600キロの鹿児島県の雄大な自然を中空から捉えた社員の映像作品が3月開催のジャパン・ドローン2017の「ムービーコンテスト」で、準グランプリ賞に輝くなど、早くも高い評価を得ている。会場の参加者からは、「えっ、これどこの景色。すばらしい」と絶賛の声が聞かれた。わずか3分に凝縮されたその映像は鮮烈。大地のエネルギーが感じられ、鹿児島のPRにも一役買った。この受賞を機に認定校開設など新規分野開拓へ向け、「やるなら今しかない。空の産業革命を担うドローンの効果は計り知れない」と、走りながら考える行動派は若手育成に意欲を燃やす。
 以前勤務していた会社で3D画像の解析や、ドローンなど新規事業分野に携わった経験を生かし、会社を立ち上げた。実家が経営する指宿市の(有)カナンガスの子会社。きっかけになったのは、昨年4月発生した熊本地震。とっさに「これまでの経験を活かし、自分でなにかできることがあるのではないか」と、必要な機材を車に積み込み、現地に飛んだ。そして阿蘇大橋などの上空にドローンを飛ばし、現場の被災状況を把握、映像データを自治体に提供するなど活躍した。「セスナ機などから撮影した画像データと比較しても遜色はなく、これなら行けると確信を持った。さまざまな分野での利用価値が拡大する中、人材育成など今後の需要が見込める」と、創業の意志を固めた。
 会社の経営理念はまだ固まっていないが「新ビジネスを切り開く付加価値創造型企業」が目標。建設業界では、少子高齢化が招く深刻な人手不足を背景に作業の効率化が大きな課題として浮上。国土交通省では、ICTの全面的な活用などの施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の向上を図り、魅力ある建設現場を目指すi-Constructionを進めている。

 こうした中で脚光を浴びているのがドローンを利用した業務の生産性向上と人材育成。全国建産連でもドローンを利用したICT革命を応援、ベースとなる研究会設立や、人材育成に動き出している。業務活用の裾野を広げるのが狙いで、フィールド整備に向けて@機器を安全に操作できる体制確立A映像・画像等の情報収集B点検・維持管理体制C飛行の指導体制確立D施工・測定業務などの環境づくりが求められている。
 「新しいビジネスチャンスの到来。今後の雇用環境などを考えれば、i-Constructionを進める上でキーワードを握る産業」と位置づける。
 全国建産連でも具体的な取り組みとしては、建設企業・学生向け体験会の実施、操作教育・資格試験対策講座、活用に関する相談窓口開設などを打ち出している。「今が絶好のチャンス。経験と知識を生かし、ドローン利用促進の面から業務活動のすそ野を広げる役割を担いたい。そして地域・業界活性化に寄与したい」と、意欲を見せる。

ドローンムービーコンテスト その撮影操作技術と巧みな画像編集を審査する3月のドローンムービーコンテストには、全国から120作品の応募があり、最終審査では8作品が優秀賞にノミネートされ、鹿児島から同社の梅津和音さんが準グランプリ、福耕一郎(KAGOSHIMA NEVERLAND BOYS)さんが個人賞の請川賞に輝いた。中空から映し出される映像は、目線が変わり、新鮮味にあふれる。これまでの印象も大きく変わる。ドローンの映像データは、単なる映像としてだけでなく鳥の目≠ゥら現場の面積や高低差を把握できるほか、遠隔操作で現場の管理が可能になり、3D測量や農薬散布など幅広い業種での活用も見込まれ、圧倒的な時間、労働力の低減に役立つ。ドローン事業への関わりについては「若者の興味と関心を引き、将来的な発展を予感させるインスピレーションが働いた」そうだ。
 このように急速に注目度が高まる中で、無人航空機運航上の安全知識と高い操縦技能を有する人材養成は不可欠。そのため、鹿児島校を皮切りに南薩、曽於、宮崎地区でのJUIDA認定ドローンスクールの開校を予定、当面の課題は休校になった校庭や屋内施設など練習場の確保。「まず安全な飛ばし方などを教育するのがポイント。若者に受講を呼びかけ、資格取得などによって地元からの雇用流出にも一役買いたい。そして鹿児島をドローンの情報発信基地にしたい」と、前を見据える。