鹿児島建設新聞

純浦建設 純浦法生

Profile

加治木高校卒業後、家業の建設業(塩田建設=薩摩川内市里町)に携わった後、新川建設に入社。平成21年に社長に就任、同26年に純浦建設㈱に組織変更して不安定だった経営を立て直した。県建設業協会川内支部青年部副支部長などの要職をこなしながらチーム力を強化、社員を大切に、地域、社会貢献できる企業を目指している。家族は妻と1人娘の3人。趣味は社員、友人、知人らとの焼酎談義。好きな言葉は「温故知新」。同市里町出身の39歳。会社所在地は同市五代町658。

同社は、新川悟氏が1967(昭和42)年に新川組として創業。5年後に新川建設㈱へ組織変更して総合建設業の登録許可やISO9001、同14001、OHSAS18001の認証などを取得、安定した経営基盤強化を図り、平成21年から代表取締役に就任した。

モットーは、顧客や社会のニーズに対応し、自然(環境)と共存できる高い品質の構造物やサービスの提供ができる会社。「正直者がバカを見ない経営」に軸足を置く。

完成工事

薩摩川内市を中心都市とする北薩地域は、管内に川内川河川事務所、九州電力川内原子力発電所などを抱え、大規模工事の受発注機関も多く、エリアも広い地域。ちょうど社長就任時、政権が自民党から民主党に交代した時で、管内の工事受発注量が減少、3年半ほどは苦労した。

当時は、まだ弱冠30歳。「若かったし、勢いもあった」と、振り返る。昨年で創業半世紀を迎えたが、「見るのとやるとでは大違い」と、経営者としての大変さを身をもって経験した。痛感したのは、組織・意識改革。生え抜きも跡継ぎもいない中、定年退職等で辞める社員も多く、社員のやる気も衰退気味で、当初は苦労した。社員が辞めたら補充で乗り切るなど、模索の経営を繰り返し、なんとか軌道に乗せた。

「やってやろうという勢いのまま、必死だった」。取捨選択をする中で、仕事のできる社員を重要ポストに起用、給与と賞与を上げた。やる気のある社員に、それに見合った対価を支払う実績主義を徹底することで仕事への情熱、やる気を向上させた。安全工程会議、部所間の報告・連携強化、社内のマニュアルづくりなど社内の情報共有化、意識改革に力を入れた。

「浮き沈みの激しい業界。その波に乗っかかり依存してしまうと、翻弄(ほんろう)される。情報は宝。正しく分析し、常に冷静に物事を見る目を養い、時代の変化に的確に対応することが大事」と、経験値からの検証を重視する。特に熱く語り合うノミュニケーション(花見、夏のバーベキュー、忘年会)は大切にしており、三大イベントに位置付ける。

スタッフ集合写真

従業員数は役員を含め35人。直近の完工高に占める公共工事の比率は7割、民間工事が3割。資格取得も積極的に支援、半数近くの15人が土木施工管理者などの資格を取得、技術を持つ人財の活用に力を入れる。これまで培ってきた施工技術、人財にさらに磨きをかけ、社員のスキルアップを強化、経営に魂を込める。

トップ営業マンとして日々駆け回る中で「建設業界は、かつてないほどの人手不足。盛んにi-constructionなどの活用が叫ばれているが、設定や操作をするのは人間。どんな時代もすべてにおいて人。だから業界の魅力をもっと広く強くアピール、今の3Kのイメージから脱却しなければ…。みんな理論的にも理解し、肌で感じていること。メディアの目を向けさせる動きが重要。業界あげてホームページ、SNS、Facebookなどを幅広く活用、PRする必要がある」と、強調する。

北薩管内の諸事業でも多くの現場を手掛け、優秀施工業者としての受賞件数も年を追って増えている。そこには、これまで各現場で培ってきた実績とスキルの高さが生きる。若手経営者が引っ張る企業は今日も元気だ。

更新日:2018年2月

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