鹿児島建設新聞

西郷組 西郷進平

Profile

錦江湾高校、明星大学理学部土木工学科卒業後、横須賀市の会社で5年間修業後、家業の西郷組に入社。取締役、副社長を経て社長に就任して3年目。常に最終決断を迫られるポストに緊張感を持って対応している。趣味は大学時代から始めたヨット。妻と2人の息子と4人暮らし。日焼けしたがっちりした体で未来の舵取りを任された三代目は「地域、社会に選ばれる会社」を目指す。会社所在地は日置市伊集院町徳重482。日置市出身の41歳。

戦前の1936年(昭和11年)に祖父の進さんが創業し、今年81年を誇る地元では老舗の総合建設業。地域に貢献する企業を掲げ、業界ナビの土建屋プロジェクトなどにも積極的に参加、現場責任者の仕事ヘの思いを発信している。

小さいころから、父親の進一さんに工事現場へ連れて行かれたことなどが影響し、自然と建設関係の仕事に関心を持つようになった。大学も土木関係の学科に進学、神奈川県の建設会社に就職、いきなりいくつもの現場監督に携わった。「苦労したが、この時の経験が一番勉強になった。現場が人を育てるってこのことか。この時の経験が今を支え、今も生きる。最初は右も左もわからない若僧の指示によく現場が応えてくれた」と、今も会社への感謝を忘れない。こうした貴重な経験をして29歳の時に帰郷、西郷組に入社した。

伊集院小学校校舎入社した頃、会社にはきちんと明文化された経営理念がなく、「信用・感謝・信念」の言葉が飾られていた。数年後、副社長に就任、これからの会社経営に足りないものを改善していきたいと思うようになり、知り合いの勧めで鹿児島県中小企業家同友会の経営フォーラムに参加、グループ討論で本音を迫られ、同友会への入会を決意。経営指針セミナーを受講するが、なんとなくお客様気分なところが抜けず、理念を作成したものの、絵に描いた餅のままで終わっていた。

そんな中、父から代を引き継ぎ、三代目の社長就任を迎える。副社長時代からある程度の決定権は持たされていたが、社長就任となると、責任感の重さが全然違う。今まで以上に経営トップとしての自覚が芽生え、日常の中で自分の立場と責任を意識するようになった。そこで、再度セミナーを受講、思いを込めた指針づくりに注力した。責任とは、自分に原因を探すこと、その思いも込めた。

出来上がった経営理念が「社員幸福とお客様満足度を満たすため、物心両面の豊かさを追求し、変化を恐れず進化し続けることで、地域社会に貢献する」というもの。それに西郷組の伝統である信用・感謝・信念の経営方針を添えて、練り上げた。

思いを込めた理念は朝礼で唱和。朝礼の司会も社員が輪番制で行うなど、自主性を高めるようにし、最後にその日の努力目標を宣言する。これを機会に社員のユニフォーム、会社の社有車のロゴマーク制定など今風に変え、日給を月給制に改め、休暇も増やし福利厚生面を厚くした。これ以降、若い社員が増え、社内に活気が出てきた。社員全員が資格を取得、常にレベルアップを誓い、社員同士で技術も磨いている。平均年齢は約40歳代。ホームページにも社員が主役の会社を謳い、新しいイメージの土建屋の魅力を発信している。「老舗企業を背負っていくには、それなりのプレッシャーもある。ただ、逆に西郷組に任せれば大丈夫という信頼感もある。だからこそ、地域、社会に貢献する企業こそがわが社の使命」と、前を見据える。

奉仕作業

建設業の常識にとらわれることなく、誇りとやり甲斐、生き甲斐を持って働ける会社へ。そして市場の変化に敏感に対応、残る会社を創り、選ばれる会社に。34人の社員を引っ張る三代目は、まさに西郷さんのように逞しい。

更新日:2017年10月

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