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社員と一緒になって考え実践する経営

エネルギーシフトを視野に環境創造型企業推進

(株)マンボウ・サービス 代表取締役

吉岡 望 氏

YOSHIOKA NOZOMU

PROFILE

 甲南高校から熊本大学工学部資源開発工学科卒業後、県外の企業に就職するが一年で退社、兄の経営する地域家電店に勤務。平成5年に太陽光発電システムの(株)マンボウ・サービスを設立。今年で創業23年目。資格は一級電気工事施工管理技士。趣味はラグビー、ソフトバレーボール、ゴルフ。家族は鹿児島市内に夫婦2人暮らし。会社所在地は同市吉野町11334−2。奄美市出身の57歳。

所在地

吉岡 望 氏

太陽光パネルの設置作業 自然エネルギーへのシフトが加速する中で、社員と共に前進する環境創造型企業づくりに取り組んでいる。「大きなエネルギーを生み出す小さな屋根の上の発電所」を県内各地に普及させるのがモットー。
 ラグビーで高校、大学時代に培った「ワンフォーオール・オールフォーワン」の言葉は、経営理念にも通じる―と、日々素直に明るく、そしてわいわいがやがや≠ニコミュニケーションを図り、理念を共有しながら働くスタッフ、職場は活力に満ちている。

 大学卒業後、県外の会社に就職したものの一年で退職、兄の経営する地域家電店で働き始めるが大量消費・大量廃棄のスタイルに疑問を感じ、平成5年に環境を考える会社を―と、太陽光発電システムを設置する電気工事会社「マンボウ・サービス」を設立した。
 最初は地場スーパーの電化製品の設置工事業務委託、エアコンクリーニングなどからスタート。鹿児島市内の団地でチラシを配布しても反応は鈍く、一日3台清掃するのが精一杯。この間地域家電量販店、設備会社、地場商社など業務委託を請負、模索する日々が続いた。そんな中で出会ったのが太陽光発電システム。平成14年にシャープの太陽光発電システム設置事業者の認定を受け、奈良県のID研修、熊本の販売セミナーに参加した頃から仕事が徐々に軌道に乗り始めた。
 「日本は資源自給率の低い国。環境にやさしいRのつく仕事(リデュース、リユース、リサイクル)をやりたい」との思いが強く、「二酸化炭素も煙も出さず、地球環境に優しい太陽光発電こそ未来を支える自然エネルギー」と、方向性を見出した。自宅を改装して一階に事務所を構え事業をスタート、事業量が増えるに従って手狭になり、5年前に現在地に移転した。
 経営方針は、自然エネルギーの健全な普及を図り、暮らしの中に安心・安全・快適を届け、顧客満足度という付加価値をつけたサービスを提供することによって社会貢献する企業になること。

吉岡望社長 立ち上げ期には、それなりの苦労はしたが、その後社員、事業量も順調に拡大した。しかし、組織的に何かピリッとしない雰囲気があり、若い優秀な社員を入れても2、3年しか続かず、4人同時に辞めた時期もあった。
 吉岡社長は「これではいけない」と、これまでの反省を踏まえてセミナー受講と同時に経営の書籍を読みあさり、経営理念や戦略について独自で勉強するものの、うまく行かず限界を感じ始めていた。その頃知人から中小企業家同友会に誘われ、経営指針セミナーの存在を知る。「社員を効率よく働かせ、どうしたら利益が上げられるかということしか頭になかった」と、当時を振り返る。
 セミナーが終わって半年ほど経ったある日のこと、若い社員2人が現場を放棄して帰宅。その理由を聞いたところ「同友会に行き始めてから社長は変わった。自分は前の社長の方が好きでした」というショッキングな一言が返ってきた。
 経営改革をスタートさせた時期で、戸惑いはあったものの、まずできることからと、@公私混同しないA社員を私用目的で使わないB役員もタイムカードを押す―の基本的なことを改善。あいさつ、整理整頓などの見直しを始め、新しいことに積極的にチャレンジし、よいものは取り入れ実践してダメなものは捨てるという社内改革に段階的に取り組んだ。
 この出来事を好転の機会と捉えて「社長が変われば社員も変わる」と日本一新陳代謝のよい会社≠標榜、飛躍を図る吉岡社長の取り組みは中小企業家同友会のウェブ企画で紹介された。
 結局、最終的に見えてきたのは「社員が経営者と理念を共有し、楽しんで仕事ができる風通しのよい職場環境づくり」だった。

 世界中で試験的なエネルギーシフトへの取り組みが進む中にあって、吉岡社長は「17人体制で今期1億7000万円の売上げが目標。太陽光発電と蓄電池のセット販売を強化、将来3億円乗せを目指したい」と先を見据える。