(株)フチワ
代表取締役
渕脇 直樹 氏
FUCHIWAKI NAOKI
渕脇 直樹 氏
PROFILE
 中学卒業後、鮨職人を目指したが、自分に一番合っている仕事は土木業と目覚め転職、鹿児島にUターン後は土木会社に通算13年間勤務。技術を磨きながら独学で資格などを取得。30歳で独立開業にこぎつけた。平成25年3月、39歳の時に念願の法人化を果たし、株式会社フチワを設立。同年にはとび・土工、翌年には土木一式の許可を取得した。社名のフチワには、人との輪を広げたいとの思いが込められている。資格は一級土木施工管理技士、一級造園施工管理技士、測量士補。趣味の釣りは、仕事が忙しすぎて当分お預け。好きな言葉は「お願い事は試されごと」。バツイチで現在は独身。会社所在地は、鹿児島市田上6−13−14。同市出身の42歳。
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丁寧な施工、綺麗な仕上げが売り物

果敢に資格取得に挑戦

施工現場 企業には歴史と実績のある老舗、成長期に入った中堅、試行錯誤を繰り返しながら一歩を踏み出したばかりの創業期の会社など様々。今回紹介するのは、まだ立ち上げたばかりの新規参入の土木会社。それも中卒の経歴しかなかったため、独学で深夜まで専門書や参考書と対峙しながら資格を取得、その社長の誠実な人柄に惹かれた社員が集まって設立した。丁寧な施工を売り物に家周りの外構工事、側溝、ブロック積みなど基礎工事、造成工事を中心に手掛け、お客様からは誠実な仕事ぶりが高い評価を得ている。
 同社のオフィス事務所は、市街地の一角にある賃貸マンションの一室。ここが次のステップへ向けて基礎を勉強し戦略を練る場。深夜でも目が覚めたら机に向かうことも多い。「自分は中卒で、勉強嫌いだったこともあり、社会人になってから掛け算の九九を覚えるのに四苦八苦した時期もありました。でも今は情報があふれるネット社会。パソコン、スマホ、タブレット、フェイスブックをうまく活用することで、やる気さえあれば勉強ができる時代。自分は時代に恵まれている」と、しっかり前を見据える。

 実家が元々総菜屋を営んでいたこともあり、中学卒業後、東京の鮨屋に就職、住み込みで働いた。礼儀、言葉遣いなどいい勉強になったが、何か物足りなさを感じて約1年で辞め、中学時代の同級生達が働いている名古屋市に転居、造園会社で働くうちに土木の仕事が一番自分の性に合っていることを確信し、17歳の時に帰郷した。「将来は自分で事業を興す」との強い思いもあり、地元の土木会社に就職、重機に乗る仕事が好きだったことから大型特種免許などを取得する一方で「数多くの現場を経験、様々な仕事に対応できる能力を身につけることが成長につながる」と、常にチャレンジャーの意識で臨んだ。分からないことは率先して聞き、仕事を覚えた。ここで現場監督として腕を磨き、自信をつけて平成17年3月、30歳の時に独立した。
 「多くの現場でいい先輩に恵まれ、激励やアドバイスを頂いたことが独立につながった」と、立ち上げ期を振り返る。

 これまでの一番の難関は、二級土木施工管理技士、測量士補の資格取得。「最初は学歴の壁を感じた。本屋で小・中学生向けの算数や国語の参考書を購入、字の読み書き、計算など基礎から勉強をやり直し、資格取得へ向けて猛勉強した。こうした地道な努力が実り、測量士補は、2年越しで合格にこぎつけた時はうれしかった」そうだ。測量士補の免許を取った時に周囲の自分を見る目が変わったのを今でも憶えていると、振り返る。

剪定作業風景 仕事は、家の外構、ブロック積み、土間のコンクリート仕上げなどから側溝、車止め設置、土木工事は、法切、土羽打ちの土工事、法面の環境ブロック積み、間知ブロック、大型水路工事、草払い、芝生張りなど。ここで一番大切にしているのは丁寧な施工と綺麗な仕上げ。お客様から見た時に「工事が丁寧で仕上がりが綺麗。リピーターに繋がる施工」を何よりも大切にしている。
 「土木の仕事で求められるのは基本的には施工技術だが、それ以前に最も大切なことは出会った人に気軽に声掛けしてもらい信頼され、尊敬される人柄としての評価。だから常に発注者の想いを100%実現できる仕事を心掛けている」と、渕脇社長。「弊社の最大の魅力は、小規模の工事をまとめて頼める会社。気軽に声掛けをしてもらえる便利屋企業」を目指している。
 昨年7月に鹿児島市の入札参加資格を取得、さらに実績を積み上げて来年は県の入札参加資格を取ることを当面の最大目標に掲げる。課題はスタッフ(現在3人)の育成と、事業の規模拡大。「工期などのことを考え、つい口を出し、手を出して段取りを自分でしてしまうこと。先輩からは『社長は社員に任せる勇気を持ちなさい』と、よく言われるのですよ」と苦笑いする。経営理念には「人・未来・環境を創造できる会社」を据える。苦労人のリーダーは、中堅企業を目指して会社の基盤、土台づくりへ日々奮闘している。