(株)竹添工務店
専務取締役
竹添 友和 氏
TAKEZOE TOMOKAZU
竹添 友和 氏
PROFILE
 川辺高校から日本大学生産工学部建築工学科に進み計画系を専攻、設計士を目指す。卒業後、宮本建設工業に入社、型枠大工の現場を経験。その後帰郷して叔父が経営する竹添工務店に入り、平成25年から専務取締役。帰郷後、一級建築士、一級建築施工管理技士の資格を取得。鹿児島建築士会南薩支部、日大工科校友会鹿児島支部所属。2年前から弓場建設鹿児島金曜会会長に。家族は有子夫人と子ども1人の3人暮らし。趣味はゴルフ、スノーボード。「人材育成なくして企業の繁栄なし」をモットーにモチベーションを維持している。南さつま市出身の39歳。会社の所在地は同市加世田武田552番地。
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結果が形に残る仕事

基本は足場・型枠・鉄筋の躯体三役 担い手確保と省力化が課題

型枠大工の現場 型枠大工と言えば、まだ体力仕事。だから現場の職方に負担がかからないように効率よく、より安全に、そして精度を上げて―が基本。「自分が想い描いたようにはいかないのが人生。しかし、これまで経験してきた現場や仕事が今に生きる」と、生き生きと事業経営に向き合う。型枠大工は、結果が形になる仕事。誇りを持ち、裏方として業界を支える。

 元々、設計志望だったがちょうど就職戦線は氷河期の時代。大学の先生の紹介で大成建設傘下の型枠工事専門の老舗企業に就職、現場を総合的に学ぶことになった。型枠大工とは何か、その位置づけを確認しながら施工の現場を広く勉強した。法政大学の市ヶ谷校舎、早稲田大学の学生会館、東京スタジアム、埼玉のスーパーアリーナ、品川の再開発など大きな現場を経験した。しかし、人の多い都会の生活に疲れ、「田舎でのんびり仕事をしたい」と、在学中も含め、8年ほどで帰郷した。
 叔父の武郎氏が経営する竹添工務店に飛び込み、アルバイト、工務部長を経て2年前から専務取締役に就任した。型枠は形としては残らないが組立ての結果が残る仕事。足場・型枠・鉄筋の躯体三役で構成される作業で、高層マンションなどの建設を裏で支える。機械化・省力化が進みにくく体力勝負の世界。作業工程に合わせ、効率よく質の高い施工能力が問われる。その上にスピード、精度、安全も求められる。工期は、規模にもよるが基礎を含め12階建て60世帯程度の分譲マンションの場合、約9ヵ月。平均的に約11〜12人のスタッフが必要になる。
 低層・中層・高層を問わず、下から上へワンフロアごとに型枠を転用するフォームワーク。三者の連携のよさも問われる。「職方が働きやすい環境づくりをすることが大事」と目配り、気配りをしながら報・連・相の徹底を図る。「県内ではまだ少ないが、免震工法や逆打ち工法、型枠工事に特化すれば型枠支保工の早期解体可能なピンポイント工法など新工法の勉強も必要」と指摘する。

 さらに施工エリアについては「型枠会社だけで県内で大小合わせて40、50社ほどある。その地域を拠点とする会社同士が仕事で競合しないようにエリアをすみ分けしていくことも大切。職方が体力的に疲弊しないよう作業管理体制を整えることも大事。労働現場がほぼ屋外であることを考えれば、体力、精神的な配慮は欠かせない」と、現場をよく把握している。
 労働者の高齢化、入職者の減少など課題が多いだけに「スマートフォン、タブレットなどの情報ツールの活用も必要不可欠。10〜20歳代の若い入職者を求めてもなかなか難しい状況が続いており、現場としては即戦力を必要としながらも、未経験者を3−5年のスパンで時間をかけてじっくり育てることも必要」と提言も忘れない。
 効率よく作業を進めるために資材の軽量化、省力化なども一部で進んでいるものの、頼りにされているのは人力。高層ビルでは、クレーン化も進んでいるが、型枠の転用についてはまだまだ人力が主流と言った感じだ。

施工事例 こうした状況の中、同社は業界の中堅企業として知名度もアップ、メディアポリス指宿がん粒子線治療研究センター、指宿市の汚泥処理センター、指宿新ごみ処理施設、鹿児島市内の分譲マンションなど大型物件を受注、成果を上げている。
 その一方で「東京五輪開催に向けた活性化の要因はあるものの、2017年4月からの消費税アップも予定され、民間需要がどれだけ盛り上がるのか先の見通しは予断を許さない。ゼネコンなどでは、厳しい単価で施工を請け負うなど板ばさみになっているケースもある。需給バランスが崩れないよう総体的に市場のレベルアップができれば…」と、現状を見据える。